5. ハチに気を付けよう

5.1 ハチ類

A スズメバチ類

 わが国のハチの中で、最も大型で性質も激しく被害も多い。社会生活をしており,農学部構内にはキイロスズメバチが多い。
 木の洞や建物の隙間,軒下や大木に巣を作る。群れで襲う事が多く,刺されると激しい痛みや腫れができ,ショックによる死亡例も多い。
 蜂の子として食用にされるスガレ(クロスズメバチ)もこの仲間である。
 

B アシナガバチ類

 大型であるが体は細い,この仲間も社会生活をしており,巣は木の枝や軒下にぶら下げる。
 庭先や軒下に巣を作るので出会う機会も多く,刺されることも多い。セグロアシナガバチやフタモンアシナガバチが多い。
オオスズメバチ キイロアシナガバチ フタモンアシナガバチ フタモンアシナガバチ
オオスズメバチ
キイロアシナガバチ
フタモンアシナガバチ
フタモンアシナガバチ

C ミツバチ類

 ニホンミツバチとセイヨウミツバチの2種がおり,飼育されているものであり,セイヨウミツバチが多く飼育されている。
 興奮すると群れで襲うので危険である。前述の2種と違い,刺されると針が残るので抜かなくてはならない。
 

D ハチの毒

 ハチの毒針は産卵管の変化したものであるから,メスつまり働きバチしか刺さない。
 毒成分はヒスタミン,ヒスチジン,レシターゼA,レシチン,アセチルコリンなど12種類が分っている。
ミツバチ クマバチのオス
ミツバチ
縄張り行動中のクマバチのオス
(毒針は無いので刺さない)
メスは毒針を持つ

E ハチの予防法と刺されたときの治療法

 スズメバチやミツバチでは巣の中の少数個体の興奮が全巣内に波及して,群れで攻撃してくるし,アシナガバチでも巣内の多くの個体が同時に攻撃してくる。
 最善の防衛策は,近寄らないこと,巣を無用に刺激しないことである。

 ハチに襲われたら,パニックを起こして急に走ったり、手を振り回したりせず,あわてずに静かにゆっくりと身体を低くし、なるべく早くその場を立ち去る。
 刺されたときは,まずその個所を冷湿布する。ミツバチであったら毒針の有無を調べ,あったら抜いておく。

 蜂は黒いものを襲撃する習性があります。蜂のいそうな場所へ出かけるときは白色系の長袖長ズボンを着用し,頭部も白い帽子で覆うようにしてください。カメラや バッグなども黒色は避けるようにしましょう。
 

F ショック症状

 ハチに刺されショック症状(急なアナフィラキシー反応)が出た場合は,応急措置として「エピペン注射液」を携行・使用することも有効です。
 なお,エピペンを所持するにあたっては医師の診断書が必要になります。詳しくは関係するAFC教員にお尋ねください。
 ※「エピペン注射液:マイラン製薬」アドレナリン注射液(アナフィラキシー補助治療剤)http://www.epipen.jp/

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