プロジェクト概要
長野県は、日本列島のほぼ中心部に位置し、多様な自然環境との共存を強く求められている地域です。火山や地殻変動は盆地、湖、山岳といった多彩な環境を作り出し、その多彩な環境には多様な生物や植物が繁栄しています。同時に、私たちは災害や生物多様性の破壊に直面し、その対処に追われています。私たちの未来を考え、持続可能な社会を作る上で、災害被害の軽減と生物多様性の維持は、目の前に迫った重要な課題といえます。
これらの課題には「科学」が密接に関わっています。私たちは、異なる世代?異なる背景を持った様々な人々が「科学」を通して、ともに学び合い、ともに話し合いながら、社会のあり方を考えることが大切と考えています。そのために、大学生や高校生等の地域の未来を担う世代が率先して「科学」に取り組み、多くの人々と共に「よりよい社会」に向けた話し合いの場を作ることが重要と考えます。
このような社会的課題は日本だけに留まるものではありません。世界の様々な人々が、その土地や風土を背景とした同様の課題に取り組んでいます。世界各国の人々との連携によって、私たちはこの取り組みを加速させることができるはずです。
信州大学理学部の呼びかけによって、全国の様々な企業や大学、長野県下の高等学校や行政機関が集まり、「科学」を共通項とした防災?生物多様性保全を話し合うコミュニティ作りに取り組んできました。これが「新世代?自然共生科学フォーラム」です。以下の取り組みを軸に、情報?意見を発信していきます。
- サイエンスカフェ?野外観察会の開催
- 教育委員会や行政機関との連携
- 地域の抱える環境?自然リスクの"見える化"と解決に向けた議論の場の形成
このような取り組みに基づいて、私たちは問題点の解決に向けた宣言を「信州自然共生宣言」として2020 年3 月に発表しました。
私たちは、この宣言の趣旨に基づいて、活動を発展させていきます。「よりよい社会」の構築を目指し、科学が解決できる社会的課題に、日本全国の人々、世界の人々と手を取りあって取り組みます。