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非喫煙者に多いEGFR変異肺腺がんへのかかりやすさを解明 肺腺がんの予防?早期発見にむけた手がかりとして期待
2023.11.15
信州大学医学部外科学教室(呼吸器外科学分野)の清水公裕 教授と、国立188bet体育_188bet备用网址開発法人国立がん188bet体育_188bet备用网址センター(理事長:中釜 斉、東京都中央区)188bet体育_188bet备用网址所ゲノム生物学188bet体育_188bet备用网址分野 白石航也ユニット長、河野隆志分野長、愛知県がんセンター(総長:丹羽康正、愛知県名古屋市)がん予防188bet体育_188bet备用网址分野 松尾恵太郎分野長など、全国19施設からなる共同188bet体育_188bet备用网址グループは、日本人の肺腺がんの患者さん約1万7千例と肺がんに罹患していない人約15万例の遺伝子の個人差を調べました。その結果、日本人における肺腺がんへのかかりやすさを決める遺伝子の個人差が19個同定され、その一部は、非喫煙者に多く発生するEGFR遺伝子(注1)に変異を持つ肺腺がんのかかりやすさと強く関わることが分かりました。一部の遺伝子の個人差は、染色体DNAの末端に存在しゲノムの安定化に関わるテロメア配列(注2)を長くすることで、肺腺がんへのかかりやすさを高めることが示されました。
これらの結果は、非喫煙者の肺腺がんの予防、早期発見に役立つと期待されます。
本188bet体育_188bet备用网址成果は、2023年10月26日(米国東部時間)付で、国際学術誌「Cancer Communications」に掲載されました。
〈発表のポイント〉
- ? 日本人の肺腺がん患者さん約1万7千例の遺伝子を調べ、肺腺がんへのかかりやすさを決める遺伝子の個人差を明らかにしました。
- ? これらの遺伝子の個人差は、非喫煙者に発生しやすく、がん細胞の増殖に必要な信号を細胞内に伝える役割を担っているEGFR遺伝子に変異のある肺腺がんのかかりやすさに強くかかわっていました。
- ? 遺伝子の個人差の一部は、染色体DNAの末端に存在するテロメア配列を長くすることで、肺腺がんへのかかりやすさを高めることが示唆されました。
- ? これらの発見は、非喫煙者に対する肺腺がんの予防、早期発見に役立つと期待されます。
(注1)EGFR遺伝子
非小細胞肺がんの細胞の表面にはEGFR(上皮成長因子受容体)と呼ばれるタンパク質がたくさん発現しており、このEGFRは外部から刺激を受けると、がん細胞が増え続ける(増殖)のに必要な信号を細胞内に伝える役割を担っている。
(注2)テロメア
真核生物の染色体の末端部にある構造で、染色体を保護し、維持する働きを持つ。TERT、TERC、POT1などの遺伝子の産物がテロメアの伸長や安定化を制御している。
詳細:プレスリリース(PDF 1.33MB)
論文情報:
〈雑誌〉Cancer Communications (オンライン版)
〈題名〉Identification of telomere maintenance gene variations related to lung adenocarcinoma risk by genome-wide association and whole genome sequencing analyses
〈著者〉
Kouya Shiraishi*, Atsushi Takahashi, Yukihide Momozawa, Yataro Daigo, Syuzo Kaneko, Takahisa Kawaguchi, Hideo Kunitoh, Shingo Matsumoto, Hidehito Horinouchi, Akiteru Goto, Takayuki Honda, Kimihiro Shimizu, Masahiro Torasawa, Daisuke Takayanagi, Motonobu Saito, Akira Saito, Yuichiro Ohe, Shun-ichi Watanabe, Koichi Goto, Masahiro Tsuboi, Katsuya Tsuchihara, Sadaaki Takata, Tomomi Aoi, Atsushi Takano, Masashi Kobayashi, Yohei Miyagi, Kazumi Tanaka, Hiroyuki Suzuki, Daichi Maeda, Takumi Yamaura, Maiko Matsuda, Yoko Shimada, Takaaki Mizuno, Hiromi Sakamoto, Teruhiko Yoshida, Yasushi Goto, Tatsuya Yoshida, Taiki Yamaji, Makoto Sonobe, Shinichi Toyooka, Kazue Yoneda, Katsuhiro Masago, Fumihiro Tanaka, Megumi Hara, Nobuo Fuse, Satoshi S. Nishizuka, Noriko Motoi, Norie Sawada, Yuichiro Nishida, Kazuki Kumada, Kenji Takeuchi, Kozo Tanno, Yasushi Yatabe, Kuniko Sunami, Tomoyuki Hishida, Yasunari Miyazaki, Hidemi Ito, Mitsuhiro Amemiya, Hirohiko Totsuka, Haruhiko Nakayama, Tomoyuki Yokose, Kazuyoshi Ishigaki, Toshiteru Nagashima, Yoichi Ohtaki, Kazuhiro Imai, Ken Takasawa, Yoshihiro Minamiya, Kazuma Kobayashi, Kenichi Okubo, Kenji Wakai, Atsushi Shimizu, Masayuki Yamamoto, Motoki Iwasaki, Koichi Matsuda, Johji Inazawa, Yuichi Shiraishi, Hiroyoshi Nishikawa, Yoshinori Murakami, Michiaki Kubo, Fumihiko Matsuda*, Yoichiro Kamatani*, Ryuji Hamamoto*, Keitaro Matsuo*, Takashi Kohno*
(*co-corresponding authors)
〈DOI〉
10.1002/cac2.12498.(外部サイトにリンクします)
〈掲載日〉
2023年10月26日(米国東部時間)
〈発表者〉
国立188bet体育_188bet备用网址開発法人国立がん188bet体育_188bet备用网址センター
白石 航也(筆頭著者)、金子 修三、高柳 大輔、虎澤 匡洋、松田 麻衣子、島田 陽子、水野 孝昭、坂本 裕美、吉田 輝彦、後藤 悌、吉田 達哉、元井 紀子(188bet体育_188bet备用网址当時)、角南 久仁子、菱田 智之(188bet体育_188bet备用网址当時)、山地 太樹、澤田 典絵、岩崎 基、小林 和馬、高澤 建、渡辺 俊一、松本 慎吾、谷田部 恭、堀之内 秀仁、坪井 正博、土原 一哉、西川 博嘉、浜本 隆二(責任著者)、後藤 功一、大江 裕一郎、河野 隆志(責任著者)
愛知県がんセンター
松尾 恵太郎(責任著者)、真砂 勝泰、伊藤 秀美
国立188bet体育_188bet备用网址開発法人理化学188bet体育_188bet备用网址所 生命医科学188bet体育_188bet备用网址センター
久保 充明(188bet体育_188bet备用网址当時)、桃沢 幸秀、髙田 定暁(188bet体育_188bet备用网址当時)、碧井 智美、石垣 和慶、鎌谷 洋一郎(責任著者)、高橋 篤
国立大学法人東京大学 医科学188bet体育_188bet备用网址所
醍醐 弥太郎、高野 淳、松田 浩一、村上 善則
国立大学法人滋賀医科大学
醍醐 弥太郎
国立大学法人京都大学
川口 喬久、園部 誠、松田 文彦(責任著者)
国立大学法人東京医科歯科大学
小林 正嗣(188bet体育_188bet备用网址当時)、大久保 憲一、宮崎 泰成、本多 隆行、稲澤 譲治
日本赤十字社医療センター
國頭 英夫
地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター
宮城 洋平、横瀬 智之、中山 治彦
国立大学法人秋田大学
後藤 明輝、前田 大地(188bet体育_188bet备用网址当時)、今井 一博、南谷 佳弘
国立大学法人佐賀大学
原 めぐみ、西田 裕一郎
国立大学法人東北大学
布施 昇男、熊田 和貴、山本 雅之
岩手医科大学
西塚 哲、丹野 高三、清水 厚志
国立大学法人東海国立大学機構名古屋大学
竹内 研時(188bet体育_188bet备用网址当時)、若井 建志
国立大学法人信州大学
清水 公裕
公立大学法人福島県立医科大学
鈴木 弘行、山浦 匠、齋藤 元伸
国立大学法人群馬大学
大瀧 容一、永島 宗晃、田中 和美
国立大学法人岡山大学
豊岡 伸一
株式会社スタージェン
斎藤 聡、雨宮 光宏、戸塚 裕彦