12住民の健康被害が生じている現状を説明し、統合水資源管理を通した水の安定供給の必要性を訴えました。地質由来の高フッ素濃度地下水はアフリカ大地溝帯など世界各地にみられ、飲用することで斑状歯や骨の変形、複雑骨折などの「フッ素症」を誘発します。世界保健機関(WHO)の推計では世界で約2億人が危機にさらされています。タンザニアは水源のフッ素汚染に加え、特に村落での人口急増に伴う水不足も深刻で、地下水資源の枯渇や非効率な水源開発もみられます。水の量と質を確保するためには、フッ素除去が必須です。タンザニア政府は骨炭を利用したフッ素除去法を開発しましたが、骨炭の大規模生産ができないために実用化は限定的。今後は現地材料だけで過剰フッ素を除去でき、電力網が未発達な村落でもアフォーダブル(現地適用可能)な吸着材とその運用システムを開発する必要があるとしました。2009年、内閣府の総合科学技術会議が創設した「最先端188bet体育_188bet备用网址開発支援プログラム」で採択された「メガトン水システム」。省エネや低環境負荷、低コストで国際競争力のある大規模海水淡水化システムの基幹技術構築を目指すプロジェクトで、企業や大学が参加。1日当たり100万トン規模の「逆浸透法巨大海水淡水化プラント」の188bet体育_188bet备用网址開発を行いました。これまでの188bet体育_188bet备用网址により、20~30%の省エネ化と無薬注で信頼できる運転を可能にしたシステムを提案。造水コストについては1立方メートル当たり0.50ドルを達成できる目処がつきました。一方、ビジネスモデルとしては、プラント建設事業(EPC)からディベロッパー中心の民活型造水事業(IWP)にシフト。プラントのエネルギー源として太陽光発電も注目されています。こうした新しい状況にどう対応していくのかが今後の課題となるでしょう。188bet体育_188bet备用网址リーダーの遠藤守信特別特任教授は、各種ナノ材料を造水膜に応用して新機能の発現を目指す188bet体育_188bet备用网址成果を紹介しました。膜を使った海水淡水化技術は、半世紀に渡るポリアミド(PA)水処理逆浸透(RO)膜の実績を背景に、更なる高性能化を目指す188bet体育_188bet备用网址が世界的に広く展開されています。そうした中で遠藤教授の188bet体育_188bet备用网址グループは、カーボンナノチューブ(CNT)などのナノサイズで炭素の構造を精緻に制御して得られるナノカーボンなどを用いて、PAと複合化して高性能RO膜を開発しました。とりわけ、PAとの界面重合の際にCNTを複合する新しい方法が確立されました。これまでの188bet体育_188bet备用网址ではCNT含有量が最大でも0.1%程度だったのに対し、10~20%を含有させることに成功。これが、RO膜の活性層に多層CNTとPAを複合させた新開発の「CNT/PA複合RO膜」です。CNTが入ることで、透過する水分子の経路がより直線的になり高い透水性をもたらすほか、塩素耐性にも優れています。独特な膜内の電子構造や平滑な表面組織によって、汚濁物質が付着しにくくなることも大きな特長で、従来の膜性能を凌駕する新技術となりました。また、このようなナノカーボン膜の知見をRO膜モジュール構成部材として重要な原水スペーサにも応用し、防汚性に優れた原水スペーサも新たに開発。スパコンによる理論解析によって、膜、スペーサともにその優れた諸機能が証明されました。日立製作所の大西真人氏は「CNT/PA複合RO膜」を用いた海水の淡水化実証試験の進捗を報告しました。プロジェクトでは海水淡水化のための脱塩処理に適用する、革新的なRO膜の開発を第一義として取り組んできたと説明。淡水化に際する技術面の課題を提示しました。海水淡水化施設では、造水コストの低減と省エネルギー化が求められるほか、安定的な稼働に向けては、膜の汚れ(ファウリング)をいかに抑制するかがカギになると話し、耐ファウリング性に優れた「CNT/PA複合RO膜」を使うことで課題をクリアできる可能性があるとしました。今後は従来の前処理設備などを簡略化することでプラントを軽量化し、システム全体のコストを現状の4割削減することを目指すとしています。2019年に北九州市の実証施設「ウォータープラザ北九州」で開始した実証試験では、現在、第一世代の膜をモジュール化して実環境に耐えられるかどうかを実験しているところです。吉谷純一教授は、アフリカ?タンザニアの飲料水源が、特に村落でフッ素に汚染され188bet体育_188bet备用网址概況報告大西 真人 株式会社日立製作所水?環境ビジネスユニットCTO188bet体育_188bet备用网址概況報告吉谷 純一信州大学教授188bet体育_188bet备用网址概況報告木村 睦サブ188bet体育_188bet备用网址リーダー信州大学教授188bet体育_188bet备用网址概況報告高橋 桂子COI-S188bet体育_188bet备用网址リーダー海洋188bet体育_188bet备用网址開発機構地球情報基盤センター長プラットフォーム構築上田 新次郎エグゼクティブアドバイザー信州大学特任教授招待講演栗原 優 氏東レ株式会社フェロー講評佐藤 順一 氏ビジョナリーリーダー 閉会挨拶中村 宗一郎信州大学理事カーボンナノチューブを複合―耐ファウリング性?塩素耐性に優れた「逆浸透膜」汚染された飲料水源からフッ素を取り除く逆浸透法巨大海水淡水化プラント(メガ-SWRO)の時代到来―日本はどう対応するか◇東レ株式会社フェロー 栗原 優氏海水の淡水化に挑む―九州で実証試験スタート招待講演188bet体育_188bet备用网址概況報告
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