SHINSHU UNIVERSITY SOCIAL RESPONSIBILITY REPORT 2018-2019
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SHINSHU UNIVERSITY SOCIAL RESPONSIBILITYREPORT 2018?201915市民?ユーザーを中心としたものづくりやサービス?政策等を創出します長野県内4地域に点在する5つのキャンパスを最大限に活かし、それぞれのキャンパス、それぞれの市町村に特徴的な社会貢献を行います。特に、次世代のまち?ひと?しごと創生で戦略的な役割を果たします。信州大学は、2014年度から2017年度にわたって、COC事業※「信州アカデミア」事業の一つとして、地域人材の育成を目的とする「地域戦略プロフェッショナル?ゼミ(通称:プロゼミ)」を開講してきました。プロゼミでは、地域の暗黙知と大学の理論知の融合に活路を見出し、信州という広大なフィールドを舞台に学びの場を展開してきました。4年間を通じた修了生は194人を数え、受講後も修了生同士での数多くの協働プロジェクトが起こっています。その4年間の軌跡をまとめた書籍が2019年2月に完成し、名物講師による論考や修了生によるクロスインタビューも掲載されています。修了生たちが、どんな想いをもってプロゼミに参加し、何を得ることができたのか。熱い心とともに、未来の地域を考える際の実践例が盛り沢山な書籍に仕上がっています。※文部科学省「地(知)の拠点整備事業」 COCはCenter of Communityの略1信州を未来へつなぐ、人材育成と課題解決拠点「信州アカデミア」プロゼミの4年間の軌跡をまとめた書籍障害のある人や高齢者など、車いすを必要とする人とその家族や友人が、バリアフリー環境の有無を基準とせず「人の手や、道具」を活用して大自然を一緒に楽しめる環境や仕組みを作る、ユニバーサルフィールド(UF)という新たな考え方が、ここ信州から提唱されました。信州大学は2018年より、観光庁事業の一環として、その専門的な知識やスキルを持ち、旅行業者や旅行者へのアドバイスやコーディネートができるユニバーサルフィールド?コンシェルジュ(UFC)を養成する全国初の講座を、産学連携により実施しています。このUFCの活躍により、信州の豊かな自然を活用したインクルーシブ学習旅行が実現できるだけでなく、宿泊施設や、交通、医療?福祉?地域の人材や資源を連動させ地域が連携することで実現する新たな社会の形成と、新たな市場の開拓が期待されます。3ユニバーサルフィールド?コンシェルジュ養成講座車椅子で『できること』から、家族や仲間と『やりたいこと』へリビング?ラボとは、市民?社会を中心に据えて、ものづくり?サービス?政策等を創り出す新しいイノベーション創出の考え方です。みなさんの日々の生活や仕事の現場(リビング)などを188bet体育_188bet备用网址開発の場(ラボ)に見立て、多様な主体と協働してデータを一緒に分析したり、アイデアを創出したりしながら、新しい社会的価値を生み出していきます。信州大学では、次世代の188bet体育_188bet备用网址や教育におけるイノベーションを進める上で、リビング?ラボの有効性に着目し、本構想を提案しています。また、構想を進める上で必要となるステークホルダーを中心とした「プラットフォーム」の構築や、それを活用した様々な「プロジェクト」の創出に着手しており、これまでに、「健康生活の達人教室」「ホワイトファイバープロジェクト」「防災減災」の各プロジェクトを行っています。5地域と協働で課題解決?信州リビング?ラボ構想?ローカル?イノベーター養成コースでは、地域社会の現場(ローカル)が抱える問題を的確に分析し、革新的(イノベーティブ)な解決策を考え、実践する人材を育てます。「イノベーション?リテラシーゼミ」では、軽井沢を対象フィールドに、問題分析と課題設定プロセス、アイデア創出手法を習得しました。「リアル?プロジェクトマネジメントゼミ」では学生が主体となりOJT(On the Job Training)方式で「大しごとーくin信州」(→P18)および「ローカル?イノベーションフォーラム」の企画?運営を実践することで、目的や課題を明らかにし、事業の全体把握やタスク管理、進行台本等の作成、チームメンバーの適切な役割分担や協働などマネジメント力を身につけます。4ローカル?イノベーター養成コースローカル?イノベーター養成コースの専用科目2教育を通じた地域活力の創造と地方創生の推進(COC+事業)2015年から、COC+事業※として、教育を通じた地域の魅力?活力創造と若者の地方定着に向けた取り組みを開始しました。信州大学の入学者のうち県内出身者は約26?27%、一方で卒業生の県内就職率は約39?40%であり、約10%の県外出身者が長野県内に定着していることになります。地方創生をさらに加速させるため、産学官の協働でサービスラーニングやPBL(Project Based Learning)等の地域フィールドを活用した教育環境の構築を進めています。また、COC事業から継続している地域課題を学べる環境を活かし地域理解を深めながら、地域の担い手(働き手)として活躍できる学びや活動が充実しています。※文部科学省「地(知)の拠点大学 による地方創生推進事業」COC+事業の連携体制と事業図
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