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木村教授は綿とMOF(※3)を組み合わせ、フッ素を検出する高感度化学センサの開発に取り組んでいます。MOFは、金属イオンと有機化合物からなるナノレベルの規則的な細孔を持った多孔質材料。組み合わせによって細孔の大きさなどが設計でき、物質の吸着や分離、化学センシングなどでも応用されている材料です。木村教授は、フッ素を選択的に吸着し、色の変化が得られるMOFを設計。それを、布を染めるように綿にしみ込ませる(成膜)ことで、オリジナルの化学センサが作成できます。そのセンサを地下水に浸せば、水中のフッ素が吸着し、綿の色(蛍光色強度)が変化、フッ素濃度を可視化できる、という仕組みです。アルーシャに適したMOFの設計方法と綿への成膜技術が確立すれば、現地での作成も容易で、原価も数十円程度です。タンザニアではオーガニックコットンの栽培も行われており、テキスタイル産業が盛ん。「現地で調達できる綿を原材料にすることで、産業にもつながる可能性がある。水問題の解決から産業の形成まで、自律可能な循環モデルをつくれたらと考えています」と木村教授。自然に還る綿であれば、環境にやさしく廃棄も容易です。またアルーシャでも普及が進んでいるスマートフォンを活用し、飲用水のフッ素濃度を共有できる安価なIoTシステムの開発も検討しています。綿を素材にした高感度化学センサで水質を可視化中屋教授は水質調査や、水圧計による水位変動のモニタリング、雨量計測などによって、フッ素汚染問題の実態把握を行ってきました。これまでに調査した箇所はのべ120~130ポイント。とくに高精度で把握しているのが、地下水の滞留時間です。採取した地下水を化学トレーサーによって計測、地形と併せて解析することで、その移動状況や性質を可視化することができます。この調査によって、近年のフッ素汚染の要因や、メカニズムなども明らかになってきました。フッ素濃度は、通常、地下での滞留時間が長ければ長いほど高くなります。しかし、ここ20年位の間は、滞留時間が短い新しい地下水の方が、フッ素濃度が高くなる傾向にあることが分かってきました。「ここ20年程の間に、爆発的人口増加によって地下水の使い過ぎが進みました。それにともなって地下水位が低下し、酸素も多く入り込んだ。それで、帯水層の風化が通常より速く進み、フッ素濃度が高くなったと考えています。つまり、ここ20年程のフッ素汚染は人為的な要因も大きく影響していると考えられます」今後は、調査結果を新技術開発へ引き継ぎ、枯渇が懸念されている水資源量の調査へシフトしていく予定です。水問題の実態を現地調査とデータで解明「統合的水資源管理」でサスティナブルな水利用を実現する中屋 眞司信州大学学術188bet体育_188bet备用网址院(工学系)教授吉谷 純一信州大学学術188bet体育_188bet备用网址院(工学系)教授木村 睦信州大学学術188bet体育_188bet备用网址院(繊維学系)教授同大先鋭領域融合188bet体育_188bet备用网址群先鋭材料188bet体育_188bet备用网址所教授「統合的水資源管理」とは、生態系などの持続可能性を確保しながら、水資源による経済的、社会的な恩恵と悪影響のバランスを、関係者間で協議して意思決定する管理プロセスのことをいいます。「アルーシャにおける『統合的水資源管理』を実現するには、まず水問題の実態把握と解析、そして現地で?aordable=入手可能な"新技術を開発することが重要だと考えました」と吉谷教授。アルーシャでフッ素汚染の実態を理解している人は、それほど多くありません。近年の爆発的な人口増により、汚染問題よりも「水量確保」が優先されてきたこと、貧富の差が激しいことなどもその要因となっています。また、タンザニアの人口の約4分の3は電力供給網も整っていない村落部に暮らしています。タンザニアでの水問題を解決するには、村落部でも持続的に?入手可能な"解決策を提示することが必要です。「そのための188bet体育_188bet备用网址シーズが、COIにはあります。実態把握は中屋先生、新技術の開発には木村先生、手嶋先生が取り組んでいます。その188bet体育_188bet备用网址成果を現地に即した形で社会実装することで、『統合的水資源管理』と持続可能な水利用の実現につなげていきたいと考えています」(※3)MOF:Metal-Organic Frameworksネルソンマンデラアフリカ科学技術大学のキャンパスの深井戸から採水する様子ネルソンマンデラアフリカ科学技術大学での統合水資源管理特別講義実施フッ素濃度モニターに水中のフッ素が吸着して変色。濃度によって色が異なる。飲用可能な水フッ素含有水5ppmフッ素含有水10ppm05タンザニアプロジェクトの主要188bet体育_188bet备用网址者に聞く

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