信州大学大学史資料センター企画展関連イベント「ギャラリートーク」を2021年12月8日に開催しました福島特任教授の説明に、学生や教職員、設置当時かかわった元教職員など関係者約30名が耳を傾けました。マイクロ波でキャンパスを結ぶために、どこにパラボラアンテナをたてるのか、見通しのきく美ケ原の山頂に上り、大型の鏡を使って長野市の工学部に光を反射させて場所を決めるという地道な実験が行われたエピソードなどが披露されました。信州大学大学史資料センターは、その歴史を今に伝えるため?2021年10月29日?12月27日、信州大学中央図書館で企画展を開催しました。まだ社会的にはデジタル化が進んでいなかった1988年に稼働を開始し、1993年には全キャンパス間での遠隔講義や会議を実現したSUNS。高度な技術電波塔の位置関係を示した長野県地図。美ヶ原を中継局に、各キャンパスをマイクロ波でつないでいた様子が分かる。だけでなく、高効率な電波枠の取得のため、数々の人的ネットワークも活用し実現したシステムでした。初期SUNSで建設されたマイクロ波の電波塔は、2007年にその役目を終え、既に各キャンパスからは姿を消しています。しかし、分散型キャンパスとしての課題に教職員が一丸となって取り組み、完成させたSUNSは、コロナ禍にも速やかに対応する信大DXの礎となりました。企画展では、中継局と各キャンパスの電波塔との位置値関係が分かる地図、当時の写真や資料、SUNSシステム構築のために奔走した教員、職員のコメントなどを展示。光ケーブルや高速通信技術などの発達に伴い、新SUNS、SUNS 2020へと移行した歴史なども紹介されました。SUNS構想時の貴重な資料。根底には、分散型キャンパスの課題を克服し、大学として一歩前進しようという思いがあった。【WEB版企画展のご案内】信州大学大学史資料センター企画展(WEB版)「SUNS?人をつなぐ?キャンパスをつなぐ」主催:信州大学大学史資料センター?附属図書館SUNS設立に関わった教職員から届けられたメッセージと共に、電波塔の写真やSUNSの模式図なども展示。分散型キャンパスの信州大学がワンチームで動き、達成したネットワークシステムだった。17「SUNS ―人をつなぐ?キャンパスをつなぐ―」分散型キャンパスを遠隔講義で結ぶ画像情報ネットワークシステム「SUNS」7つの前身校を持ち、長野県下5か所にキャンパスが分散する信州大学では、1949年の開学以来、キャンパス間の連携の在り方が課題となってきました。その課題を克服するため、 1985年に打ち出されたのが、総合的な大学院教育を実現させるための信州大学画像情報ネットワークシステム「SUNS」構想です。美ヶ原中継局を中心に、マイクロ波無線回線(19Mb/s)によって各キャンパス間を一元的に結び、映像、データ画像、音声などのマルチメディアを同時多重中継できる、当時としては画期的な遠隔講義?会議システムでした。信大DXの原点には、関係者の熱いドラマがあった
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