JR信越本線の川中島駅近く、寂れたシャッター商店街の一角に、人の出入りが絶えない3棟の建物…それが「学び舎かなえ」。小?中学生が集う「学び舎かなえ」は元青果市場だったという大きな建物で、2階が塾、1階は生徒も利用で志を持っていきいきと活躍する信大同窓生を描く新シリーズの第1弾。今回登場いただくのは「学び舎かなえ」グループ代表を務める安部映樹さん。安部さんの描いた「新しいスタイルの教育環境」…それは“あらゆる子供がいきいきと、ハッピーになれる場所”でした。信州大学教育学部を卒業後、中学校教諭を経て出版社を起業、月刊誌「KURA」等を創刊。販売は好調で年商10億円にまで育て上げた同社を辞して再び文教業界へ。それまでの知見を活かし新スタイルの教育施設を開設したという異色の経歴の持ち主です。自身が生まれ育った思い入れのある地元に描いた夢を実現させた安部さんの“流儀”をご紹介します。(文?中村 光宏)きる「駅前カフェ和(なごみ)」として運営されています。その目と鼻の先にある元薬局には通信制高校「川中島高等学園」と中学3年生に特化した「かなえMiRAI」、そして「フリースクール未来」。そのほど近くの築90年以上という元蔵には高校生のための「かなえPLUS」があります。いずれの校舎もリフォームされ、雰囲気は妙にお洒落だったり、アットホームだったり。訪れた人は、俄かにはそこが学習塾とは分からないかもしれません。各校の役割は建前上分かれていますが、生徒たちはどの施設も自由に使えます。当初から学校向けICT教材を採用するかなえの特長です。基本、鍵をかけないので、生徒たちはその日の気分で学ぶ場所、居場所を決めているようです。(※)文部科学省2022年10月WEB公表安部 映樹さん PROFILE1962年現在の長野市川中島町生まれ。信州大学教育学部卒業後、中学校理科教諭を経て、1999年信州大学の仲間と出版社を設立、副社長、社長を歴任。2018年に退社後、故郷?川中島町で学び舎かなえを開校。2019年かなえPLUS、2020年かなえMiRAI、2021年川中島高等学園、2022年フリースクール未来を開校(写真上段)高校生向け学習塾「かなえPLUS」の内観。こたつあり、キッは、なんといつでも誰でも自由に使っていいらしい。(写真下段)左から学スクール未来の各校舎。09教育学部卒業生培った志を胸に、社会で活躍する素 ICT教材を早期に導入、学習塾に通信制高校、フリースクールを併設昨年度不登校だった小?中学生の数は前年比約25%増の24万人強(※)、高校生の約16人に一人が通信制高校の生徒と言われています。安部さんが描く子供たちが学ぶ環境、子供たちの居場所づくりはこういった背景を色濃く反映したものです。さん月刊誌編集長から転身、新スタイルの教育施設を開設学び舎かなえグループ代表信大同窓生の安部映樹
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