2 本学校園の事例と成果あああああああああああああああああああああああああああ ‐28‐ C製作に使用する工具や機器の使用方法を知り,工具や機器を適切に使って製作品の加工,組立て及び仕上げができること。 Dコンピュータの機能を知り,ソフトウェアを用いて,基本的な情報の処理ができること。 E情報処理の手順を考え,簡単なプログラムの作成ができると共に,処理手順やその工夫について説明できること。 F生活の中で問題点を発見し,その問題について,技術的な解決法を構想し,具体化できること。 ウ 既存の教科の授業時数変更に伴う対応案 授業時数については,各学年とも総授業時間数を20時間追加することで対応する。「技術」の指導教員については,人事異動で考慮?措置するとともに,必要に応じ中学校教員による授業が可能な教員配置を実現する。 ③中学校における,「総合的な学習の時間」や「教科等横断的な学習」の充実への対応 中学校で「学びの総合化」の完成形として【教科等の総合化】,即ち,実生活における教科の学習の総合的な活用を実現するための教科等横断的な学習の充実には,現行の授業時数に加え,さらに10時間?35時間が必要となると見込まれる。この授業時数については,各教科に潜在する教科等横断的な内容の学習を教科間で相互に調整し,必要に応じて総合的な学習の時間の授業時間数として,全ての学年においてそれぞれ35時間を追加する。 (1)幼稚園~【遊び】「思いや願い,問い」を膨らませるA児の「探究的な学び」を支える保育者の援助~ 8月,年長さくら組では,木片やトイレットペーパー芯(以下,ペーパー芯)などを使った木球の転がし遊びを始めた。A児はペーパー芯を手に取り,保育者に「これ切ってもいい?」と尋ねた。A児はペーパー芯を縦半分に切ると,背丈ほどに積まれた積み木の側面に貼り,木球を転がすためのコースを作った。そして,ペーパー芯を積み木に貼り付けては木球を転がすことを繰り返していたが,やがて半分に切ったペーパー芯の上を転がった木球が,縦に貼った筒状のペーパー芯を通り越していくのを見て,A児は木球が転がる軌道上に木片がくるように木片を積み重ねた。再び木球を転がすと,木球は木片に当たり,筒状のペーパー芯の中を転がった。 保育者は,A児の日々の遊びの姿を週毎に作成する「遊びの環境の構成図」に書き込み,A児が見つめている対象,A児の「思いや願い,問い」,環境の再構成について,他の保育者とカンファレンスを重ねた。そして,木片やペーパー芯の組み合わせ方を試しながら遊ぶA児の思いを,「木球の軌道をコントロールして遊んでいきたい」と捉え,A児が木球の軌道を自分で変えながら遊んでいける環境を保障したいと考えた。A児は,ペーパー芯の傾きや貼る位置を変えて何度も木球を転がすのだが,木球の勢いにペーパー芯が耐えられず,木球がコースアウトしてしまう様子が見られたため,保育者は,ペーパー芯がA児の試したいはたらきかけが存分にできる対象とならないと判断し,A児が繰り返しかかわることのできる対象として,雨樋と塩ビ管の継手を用意した。その後,保育者が再構成した遊びの環境の中で,A児は雨樋の傾斜によって勢いのついた木球が,雨樋の先に付けた塩ビ管の継手で跳ね上がることを繰り返し楽しんだ。ある時A児は,三角形の積み木の角に雨樋の端を合わせて置くことで,雨樋を転がってきた木球が跳ね上がることを見つけた。A児は三角形の積み木の向きを変えたり,三角形の積み木に当たる部分の雨樋の位置を動かしたりしながら木球
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