(4)幼稚園~「思いや願い,問い」をもって主体的に環境にかかわっていく【遊び】~ (5)小学校低学年~多様な見方?考え方を働かせて主体的に学んでいく【遊びの領域化】~ (6)小学校高学年 (7)中学校~学びの先にある新たな自分を予感し,確かにしていく【教科等の総合化】~ (2)「学びの総合化」における各校園や段階における取組 ①幼稚園における【遊び】の充実 ②小学校低学年における【遊びの領域化】の充実 ③小学校高学年における【領域の教科化】の充実 ④中学校における「探究的な学び」や「総合的な学習の時間」の充実 (3)学年間,学校段階間の教育課程の一貫性?継続性についての適切性 幼小接続や小中接続といった学校段階間における連続性を保障するために,「探究」を本学校園共通の窓口としながら,保育?授業をデザインし,実践記録の分析や「探究的な学び」の捉えの見直しを継続している。現在本学校園の職員は,「探究的な学び」についてのイメージを,「その教材を通して学んでいく先にあるだろう新たな自分(豊かな見方?考え方,資質?能力の伸長など)への予感や期待に向かって,自分の「思いや願い,問い」から,体験や対話などを繰り返しながら自ら追究し,自分の予感や期待を学びとして構成していく学び」と共有しつつある。 幼稚園では,「主体的に遊ぶ子どもは,自然と「3つの力」を発揮している」という保育者間の共通認識のもと,本園の教育目標である「遊びにうちこむ子ども」の実現に努めている。そのために,保育者は,対象に働きかけていく時の子どもの姿から,子どもの「思いや願い,問い」を,保育者間のカンファレンスを通して考えると共に,週毎に作成する「遊びの環境の構成図」に子どもの姿を記録することを積み重ねることで,子どもが「思いや願い,問い」をもって,主体的に遊んでいくことができるように,遊びの環境を構成している。また,その時期ならではの遊びや,その時の発達段階だからこそ楽しめる遊びなど,保育者の意図や願いを鑑みながら,子どもたちが豊かな遊びの経験を積み重ねていけるようにしている。 小学校低学年では,子どもが「思いや願い,問い」に基づく活動中に働かせている見方?考え方の広がりを受容することによって,事象を多面的に捉え,子どもの発達に応じた探究を保障したいと考えている。そのために,子どもを観る視点である「3つの力」を基に,子どものよさを検討し続けている。子どもの発達段階,習熟度,経験値を考慮し,個に応じた探究の道筋が保障されるよう,教師はその子の何を捉えて,どう評価し,どう判断し,どう動くかといった教師の思考?判断を重ねていく。その際,授業者のみで省察を繰り返すのではなく,学年?教科等の枠を超えた多くの職員で,子どもの学びのよさと可能性について語りと傾聴を繰り返していく。教師は,合意形成を急がず,子どもがどのような学びをしてきたか(過去),そしてその子どもは何と対話しているか(現在),さらにはその子どもはこの先どうあるか(未来)を連続的に捉えることを試みている。 ~もっと詳しく知りたいと願い,より専門的な見方?考え方を求めていく【領域の教科化】~ 小学校高学年では,低学年時の特徴に加え,教師は,もっと詳しく知りたいと願い,より各教科の見方?考え方を働かせようとしている子どもを捉えようとしている。実際,子どもは,これまでの経験によって積み上げられた具体物を用いた学びから,目では捉えにくい抽象度の高い学びに対して興味関心を抱いていく。そこで教師は,身の回りの経験では得られない新たな世界を開拓していけるような場を位置付けている。 中学校では,社会の入り口に立つ中学生が「3つの力」を発揮し,各教科等の見方?考え方をとことん働かせながら,様々な資質?能力を有機的?総合的に育み,生きた現実に対峙できる地球市民を育みたいと考えている。そのために,生徒の「思いや願い,問い」から発し,生徒が教科の枠にとらわれず,学びの場?方法?内容を総合しながらとことん探究し,一人ひとりが確かな学びを- 5 -
元のページ ../index.html#9