3 ②後期- 20 - きた。バス停は法律や規制により厳しいかもしれない。 ?私たちの松本城係では,なんとか設置できそうな感じがした。外国人観光客が多いので「和」のテイストのベンチがあるといいと言っていた。 ?今度は,自分たちが座るベンチじゃないから,慎重に設計をっ作った方がいい。三心の池に置いたベンチの完成度ではだめだ。専門家の人にも話を聞いた方がいい。 要望を取り入れた,完成度の高いベンチを作りたい ○松本民芸家具の人に設計図や加工方法はこれでいいのか尋ねる。 ?老人ホームや駅前,松本城におけるように要望を聞いてきたが,肝心の作り方や加工方法をもっと具体的に知りたい。外国人観光客やほっと一息つきたい人のために安心?安全な作品を作りたい。 ○廃材を利用した,地域の人のためのベンチづくり ?要望をたくさん聞いたり,設置条件なども考えたりしながら設計図を書いてきた。いよいよ実際にベンチを作ろう。 廃材で作ったベンチを完成させよう。 ○2年後期から作成を始めたベンチ作りを完成させる。 ?松本城係では「和」のテイストを出すのが大変だ。木材を減らし,竹を装飾で用いたらどうだろう。捨てられる竹はないだろうか。 ?松本駅係では,とにかく強度が必要。高さも要望通りの高さで完成させたい。 廃材で作ったベンチを届けたい。 ○2年後期から作成したベンチを届け,座ってくれた方々にインタビューして感想を聞こう。 ?楽しみながら一生懸命作ったベンチに,地域の人が座ってくれた時は,素直に嬉しかった。小さな子供を連れた親子が座ってくれたのをみるとなんだか心が温かくなった。 3年間の総合で私たちは何を学んできたのだろう。 ?地球的危機にある今,地球市民として自分にもできることがある。捨てられてしまうものでも自分も相手も笑顔にすることができる。将来も自分の手で地球にも人のためにもなるものを作り出していきたい。 SDGsの観点から廃材である「木材パレット」の価値と3年間を構想した時の教師の立ち止まり 1年次の志賀高原学習にて、ユネスコエコパークである志賀高原を訪れ、SDGsについて学習した生徒。Nさんは感想で「SDGsを達成するためにも日本の環境問題,身近な環境問題を地球市民として考えていきたいです。」と思いを寄せてくれた。そこで教師は、身近に再利用できるものはないだろうかと思い、インターネットで「ジモティ」というサイトを見つけた。その中で長野県岡谷市に左のような「木材パレット」を無料で配っている会社があり、社長の川窪優太さんとお話をしてきた。社長は「確かに駐車場に積まれているのは邪魔です。しかし、これらの木材を必要って言ってくれる人がいる。だから、いつでも取りに来てください。お待ちしています。」と笑顔で話してくれた。教師は、15個ほど木材パレットを車に積み込み、夏休み明け生徒に提示しようと考えた。しかし、始めから教師がこの材を提示してよいものなのかと考えた。計画職員会に出された資料の中に「教師は半歩先を歩く」と書いてあったが、半歩とは何か…。 そこで、教師はホームセンターで木材を買いベンチを作ることにした。作る中で感じた木の質感や木のにおい、金額、疲労感などを生徒には語ろうと思う。廃材に目を向けるには生徒で、木工をやりたくなるかどうかの判断も生徒である。教師だけが先走ってしまっていては、生徒が自分事として追究していくことはできないのでは ないかと今考えている。 ◇「人とつながりたい」という願いを①どんな理由で,②どんな人と,③どのようにつながっていきたいのかを明確にできるようにする。 ◇ベンチを作ってから,設置できる場所を探すのではなく、座ってくれる「人」をイメージできるように、誰のためのベンチなのかを明確にもてるようにする。 ◇地域の方からの要望を共有することで,今,地域のために自分たちにできる活動や方法について考えを深めることができるようにする。 ◇自分たちがどのような思いでこのベンチを作成しようと思ったのかが分かるプロフィールを、古紙を利用して作成した再生紙で作り、ベンチと共に掲示できるようにする。 ◇松本城や松本駅、老人ホームでベンチに座ってくれた方にインタビューした内容や,ベンチ設置に向け許可をくれた方の言葉を味わう場を設定することで,廃材を活用した自分たちの活動が,地域の方々の笑顔に貢献できたという,ささやかでも確かな手ごたえや良さを感じることができるようにする。
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