附属松本中5年次 別冊資料
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◇青年海外協力隊として発展途上国で支援活動をした方の話を紹介し,その振り返りを全体で共有する場を設けることで,飢餓の背景を,経済,文化など,多面的に捉え,何かできることはないかと考えることができるようにする。 発展途上国って聞いたことはあるけど,どういうことだろう 〇話し合いから調査へ ?世界には食に困っている人がたくさんいるね。 ?日本にはたくさんの食があるのに,世界ではなぜ飢餓が進んでい 世界で食料は足りているのに,なぜ飢餓は起きているのだろう 〇調査から体験へ ?先進国と発展途上国の格差と関係がありそうだね。 ?日本にいながらも,支援活動に取り組んでいる人がいるんだね。 ?何かできることで貢献したい。 テーマ 暮らしにくい社界の解消 ~松本市からできること~ 暮らしにくい社界を解消するために,どんな活動ができるのだろうか 〇活動内容の決定 ?野菜栽培をして,子ども食堂を運営している方に協力したい。 ?フェアトレードの認知度を向上させ,多くの人に購入してほしい。 ?芝生のある公園を増やすことで,多くの人が癒されてほしいな。 ?発展途上国の一食平均代金20円を得るために古紙回収をしよう。 ?ヘドロは良質の肥料になる。栽培や芝の管理に生かせないかな。 暮らしにくい社界を解消するために,具体的な活動に取り組みたい 〇活動に打ち込む ?野菜栽培と芝の管理には,ヘドロを利用した肥料が有効になるか1 2 3 ◇自分たちが考えた活動に取り組み,年度の振り返りの場面では,これまでの活動と学級のテーマとの関連について意見を交わすことで,暮らしにくい社界の解消につながっているのかを考え,今後の具体的な活動内容を決め出そうとすることができるようにする。 自分たちが考え,取り組んだ支援は有効だったのかな 〇活動の振り返りと次への展望 ?私たちが卒業してからも続いていく活動にしたい。 ?支援につながると思って活動してきたけど,実際は暮らしににくい社界の解消につながっていたのかなあ。自己満足で終わらない活動にしないといけない。 ◇「困っている人たちの現実と出会ってから,自分自身にはどのような変化があっただろう」と問うことで,学んだことを自分の生き方につなげて考え,自分なりの行いで,社会を支える人になろうとする決意をもつことができるようにする。 - 23 - 2年A組 担任:高橋 堅 1 育成を目指す資質?能力 【知識及び技能】 発展途上国の人々の生活の現状や,「Table for two」,「フェアトレード」といった発展途上国の人々の生活を向上させるための取り組みを知り,自分たちも身近なところからできる対策に取り組もうとすることができる。対策に取り組む中で,自分たちの暮らす地域にも貧困等で悩んでいる人がいることを知り,行動を起こすことができる。対策に取り組んでいる中では,支援の継続が大切だと気付き,その方法に思いを巡らすことができる。 【思考力,判断力,表現力】 実際に対策に取り組んでいる方に話を聞いたり,ボランティアをしたりする活動を通して,立場によって様々な考えがあることに気付き,目的意識をもって計画を立てたり,立て直したりしながら,繰り返し働きかけを行い,継続性のある活動を考え出し,提案していくことができる。 【学びに向かう力,人間性等】 自分たちにできることは何かを考え,イベントを提案したり,今後のあるべき社会を発信したり,自分たちが得意なことをいかしながら,社会づくりに携わっている方々と思いや活動を共にしたりして,今後のあり方を考え,自分たちができることを探し,行動?発信することができる。 2 学習対象となる材(「暮らしにくい社界の解消 ~松本市からできること~」を取り巻く主な「もの?ひと?こと」) 【もの】フェアトレード商品,中庭の芝,食材,松本城のヘドロ,など 【ひと】こだま食堂店主(児玉さん),子ども食堂運営者,松本城管理事務所の方,など 【こと】「子ども食堂」,「フェアトレード商品の販促イベント」,「古紙回収」,「栽培活動」など 3 年間指導計画(カレンダー) 学年 問い (○)学習活動 (?)生徒の意識 るのだろう。 もしれないね。 ?20円を得ることは想像以上に大変だった。飲食店に20円の値上げを依頼するのは難しいな。 ?フェアトレード商品を購入する人を増やすため,継続的な取り組みにするにはどうしたらよいかなあ。 成果や課題を整理しよう 〇振り返り ?最初は顔の見えない発展途上国の人のことばかり考えていたけれど,大切なことは将来を生きる自分たちがその対策の魅力を知り,実際に動いていくこと,語ることだと思った。だから,多くの人に,自分にも関係のある問題と思ってもらえるような発信をすることで,多くの人が関わり,暮らしやすい社界につなげたい。 ◇「発展途上国と聞いたことはあるけれど,どういう地域なのかな」という疑問を取り上げ,全体で共有するよう促すことで,調査活動を行い,発展途上国の現状に関心をもつことができるようにする。 ◇「暮らしにくい社界を解消するために,自分たちには何ができるか」という生徒のつぶやきをとらえ,実際に支援に取り組んでいる方を紹介することで,現状と課題を聞き,活動の見通しをもてるようにする。 ◇「子ども食堂」や「こだま食堂」の方,公園の整備のために動いている市役所の方など,実際に支援に取り組んでいる人々の思いや,現地の人の願いを聞くことで,活動の締め括りに向けての責任を自覚することができるようにする。 (◇)教師の支援 テーマ 暮らしにくい社界の解消 ~松本市からできること~

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