7 児童生徒への効果 なってしまったり,生徒たちの問いが深まったりしていないと感じていた。そこで,生徒が「鯛萬の井戸」について収集してきた情報を,Jamboardを用いてP(良さ)M(課題)I(面白さ)の3観点で整理?分析することで,今後の課題を明確にしたり,PMIの相互の関連性に気付いたりすることで,具体的な解決策を考えることができるようにした。 H君は,自分が「鯛萬の井戸」に行って感じた情報や友の感じた情報をPMIに整理していった。そして,それらを分析し,PMIには「環境面」「認知度」「発信」があることを見出した。さらに,2年C組が行っているものづくり(ベンチ?さきおり?竹?和紙ランタン)で井戸の環境を整え(環境面),高齢者には「鯛萬の井戸」を知ってもらうためのポスターを作成し,若年層にはインスタグラム等で発信していくこと(認知度?発信)など具体的な解決策を考えることができた。このように「整理?分析」の過程を充実させたことで,新たな課題や課題を解決する見通しをもつことができ,「鯛萬の井戸」を活性化させようと意欲を高めることができたと考えられる。 6 188bet体育_188bet备用网址開発の結果及びその分析 (1)基本方針:学びの評価「何をどのように学び,何ができるようになるのか」 (2)幼小中一貫教育の実現に関する評価方法 (1)自己表現力?課題探究力?社会参画力を発揮して資質?能力を養っているか ①全国学力?学習状況調査 質問紙から それぞれの観点において,おおむね意識が高まっていた。ただ,中学校においては,教科によって差があることが明らかとなったため,どの教科においても生徒が自立的に学び,学んだことを自覚し,それらを活用しようとする力を育んでいく必要がある。 ② 自己評価アンケート(園児?児童?生徒?保護者への意識調査)から ア 3~5(6)歳児 保護者へのアンケートでは,【自己表現力伸長の実感】の項目については95.52%,【課題探究力伸長の実感】の項目については,94.03%,【社会参画力伸長の実感】の項目については,89.55%の保護者が「とても当てはまる,やや当てはまる」に回答した。子ども一人一人の「やりたい」を捉え,それを支える遊びの環境の構成を行うことが,自己表現力,課題探究力,社会参画力を育成することにつながっていると考えられる。 イ 6~8(9)歳児 自己表現力,課題探究力については,上昇傾向にある一方で,社会参画力については,下降している様子がみられた。コロナ禍において活動が制限されることが多かったことや,個人による探究への意識が高まっていたことが要因の一つと考えられる。今後,コロナに関わる制限が緩和されていくなかで,人と関わって学ぶことの喜びを実感できるような場面の設定を意識しながら単元デザインをしていく意識が必要であると考える。 ウ 9~11(12)歳児 アンケート結果から,令和3年度と令和4年度を比較したとき,「当てはまる,やや当てはまる」と答えた児童の割合が,自己表現力?課題探究力?社会参画力それぞれにおいておおむね減少傾向となっている。しかし,「とても当てはまる」と答えた児童の数値でみると,9項目中7項目でポイントが上昇している。特に自己表現力「思いを表現する力」は6.54ポイント,社会参画力「地域との関わりへの関心」は6.84ポイント,「家庭や地域へ活用しようとする力」は9.41ポイントと大幅な上昇がみられる。これは,「やや当てはまる」と感じていた児童の層が「とても当てはまる」の層に移行してきたことがうかがえる。 エ 12~14(15)歳児 平成29年度と令和4年度とを比較したとき,「当てはまる,やや当てはまる」と答えた生- 8 -
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