- 38 - 91%,本年度94%であった。また,「当てはまる」と回答した子どもは,昨年度70%,本年度75%であった。技術の時間を新設し,自分の作りたいものをとことん制作する時間を確保することで,子どもは,自分の作りたいものを制作する中で,自己表現力を発揮することができるようになっていると考えられる。 課題探究力についての設問に「当てはまる」「やや当てはまる」と回答した子どもは昨年度88%,本年度89%であった。さらに「当てはまる」と回答した子どもは,昨年度47%,本年度54%であった。「当てはまる」と回答した子どもの割合が大きく増加していることから,技術科において,単に作りたいものを作るのではなく,教師が,子どもの「思いや願い,問い」を大切にして単元を構想することで,課題探究力を発揮しながら学んでいけるのではないかと考えられる。 社会参画力についての設問に「当てはまる」「やや当てはまる」と回答した子どもは昨年度84%,本年度83%であった。しかし,「当てはまる」と回答した子どもは,昨年度50%,本年度52%であった。このことから技術科において,友達と学び合ったり,使う相手の立場を考えたりするという社会参画力を発揮し取り組んでいることが分かる。 ②小学校において英語科を新設したことは子どもの資質?能力の育成に資するか 昨年度同様に,自己表現力,課題探究力,社会参画力を生かして学んでいるかどうかを把握するため,児童へのアンケートを行った。項目は「わたしは,英語の時間に,友達や先生の英語を聞いたり,友達や先生に伝えたりすることが好きだ。(英語?自己表現力)」,「わたしは,英語の時間に,ALTの先生が言った英語や,読み聞かせで出てきた英語の意味を考えたり,ALTの先生や友達に伝える英語を考えようとしたりしている。(英語?課題探究力)」,「わたしは,英語の時間に,ALTの先生の国の文化について知ったり,日本の文化との共通点や違いについて考えたりしている。(英語?社会参画力)である。 自己表現力にかかる項目に「当てはまる」「やや当てはまる」と回答した子どもは,昨年度73%に対して,本年度は78%であった。課題探究力にかかる項目に「当てはまる」「やや当てはまる」と回答した子どもは昨年度80%に対して,本年度84%であった。社会参画力にかかる項目に「当てはまる」「やや当てはまる」と回答した子どもは昨年度82%に対して,本年度78%であった。しかし,「当てはまる」と回答した子どもは,昨年度36%に対して,本年度42%と増加している。 このことから,「自己表現力」,「課題探究力」,「社会参画力」は個別に伸長されていくものではなく,有機的に関連しながら発揮され,伸長していくものではないかと考えられる。 ③卒業生や中学校教員から見た小学校高学年における英語科,技術科の設定の妥当性 中学校での探究的な学びを支えることを見通して,小学校で英語科,技術科を新設した理由は,子どもの発達段階や学び方の特長に応じて「遊び」「遊びの領域化」「領域の教科化」「教科等の総合化」とした12年間の「学びの総合化」の教育課程を考えた当時においては,この2教科のみが中学校で初めて出会う教科だったからである。他の教科等と同様に,小学校から英語科や技術科の内容を学んできていれば,中学校での探究的な学びを,各教科等の見方?考え方を働かせ,「思いや願い,問い」の質を変容させながら,教材の本質的な魅力や奥行きに迫るものにしていけるのではないかと考えた。 小学校で英語科,技術科の内容を学んできている生徒と,中学校教員からは,小学校で英語科,技術科の内容を学んできていることが中学校での探究的な学びにどのような効果をもたらしているかということについて,次のような言葉があった。 「小学校の英語の授業では,単語をただ覚えるだけではなく,劇の会話を英語で考えたり,プレゼンをしたりすることで,単語や文法について学べた。基礎的な単語や文法が身に付いていたため,中学校の英語の授業にスムーズに参加できた。また,中学校でもどうすれば自分の伝えたいことを英語で表現できるのかを考えることができた。小学校での外国の先生との交流により,
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