図1「たくましく心豊かな地球市民」を育む12年間の教育課程「学びの総合化」全体像 (2)「学びの総合化」における各校園における取組~実施した指導方法等の特徴~ ①幼稚園 ~自分の「やりたい」という思いをもって主体的に対象にかかわる【遊び】 幼稚園では,主体的に遊ぶ子どもは,自然と「自己表現している姿」「課題探究している姿」 「社会参画している姿」の『3つの姿』を見せているという保育者間の共通認識のもと,本園の教育目標である「遊びにうちこむ子ども」の実現に努めている。そのために,保育者は,対象にはたらきかけていく時の子どもの姿から,“どんなふうに遊んでいこうとしているのか”“何に楽しさを感じているのか”という思いを捉え,保育者間のカンファレンスを通して考えると共に,遊んでいる子どもの姿やその時の思いの捉えの記録をもとに週案を作成し,次週の環境構成や直接的な援助を考えている。そのようにして遊びの環境を再構成しながら,子どもが主体的に遊びを継続していくことができるようにしている。また,季節や行事に関わるその時期ならではの遊びや,その時の発達段階だからこそ楽しめる遊びなどを,保育者の意図や願いと合わせて考えることで,子どもたちが豊かな遊びの経験を積み重ねていけるようにしている。また,保育中は,保育者が一人一人の子どもとどうかかわっていくかという直接的な援助を大切にしている。目の前の子どもの「やりたい」という思いを捉え,それを根拠に“今は声をかけて一緒に遊んでみよう”“今はそばでじっと見守ろう”と適切な援助を考え,行っていくことで,子どもの育ちを日々支えている。 ②小学校低学年 ~その子らしく対象とかかわる【遊びの領域化】~ 小学校低学年では,幼稚園で遊びにうちこんできたからこそのその子らしい対象との関わり方を支えるために,「ことば」「かがく」「くらし」「ひょうげん」の4つの領域を設定した。 子どもが「自分の探究課題」から始まる活動中のその子らしい対象との関わり方を受容できるように,事象を多面的に捉え,子どもの発達に応じた探究を保障したいと考えている。そして,「3つの姿」を視点に,子どものよさを検討し続けている。子どもの発達段階,習熟度,経験値を考慮し,その子らしい探究が保障されるよう,教師はその子の何を捉えて,どう評価し,どう判断し,どう動くかといった教師の思考?判断についての検討を,学年?教科等の枠を超えて重ねていく。そこでは,子どもがどのような学びをしてきたか(過去),そしてその子どもは何と対話しているか(現在),さらにはその子どもはこの先どうあるか(未来)を連続的に捉えることを試みている。45分でのねらいに固執して教師の思考?判断があるのではなく,単元全体を俯瞰して捉える中で- 3 -
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