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動機であった、島田先生に評価してもらえたことが何よりの幸せ」と話します。麻根さんの受賞作『赤の女王の殺麻根さんの受賞作『赤の女王の殺人』は、市役所の市民相談室に勤務人』は、市役所の市民相談室に勤務する主人公の六原あずさが、相談者する主人公の六原あずさが、相談者の妻の転落死現場を目撃してしまうこの妻の転落死現場を目撃してしまうことから動き出す物語とから動き出す物語。その妻が死に際につぶやいた名。その妻が死に際につぶやいた名前の人物を警察が追う一方で、主人前の人物を警察が追う一方で、主人公のもとには不可思議な相談が公のもとには不可思議な相談が次々と舞い込み、それが事件次々と舞い込み、それが事件とも絡み合いながら謎がとも絡み合いながら謎が受賞作品の舞台となった安曇野市。悠大な北アルプスの麓から犀川が流れる。麻根さんが勤務される安曇野市役所。かなり大きな建物で木目の壁面が美しい。が垣間見えます。舞台となる市役所は松本市役所、主人公あずさの名は松本市を流れる「梓川」から着想を得流れる「梓川」から着想を得たと言います。また、たと言います。また、作品を通して、北作品を通して、北アルプスを遠くアルプスを遠く望む安曇野市望む安曇野市と松本市の風と松本市の風景が描写され景が描写されています。ています。「せっかく小説「せっかく小説を書くからにを書くからには、地元を輝は、地元を輝かせたい」かせたい」謎を呼ぶ…というものです。18万字を超える長編となりました。受賞作には、麻根さんの地元である安曇野市と、学生時代を過ごした松本市に対する愛と麻根さん。選者の島田氏も「信州の静謐な空気、悲劇の背景にひろがる遠景の美しさを、好ましく思わない読者はいないだろう。その意味では、心地よい読書が約束される好読み物である」と評価しました。これまで麻根さんが作家活動を行っていることは、職場では一部の同僚が知っている程度だったそうです。しかし、今回の受賞が新聞等で報道されたことで、広く知られるところとなりました。安曇野市長からも市長室にお呼びが掛かり、ドキドキしながら伺うとミステリー談義で盛り上がったとのこと。安曇野市役所の職員は700人以上もいるなかで、「おかげさまで名前を憶えてもらった」と、麻根さんは笑います。その進化生物学と本格ミステリーの間には、「共通点がある」と麻根さんは話します。具体的には、魅力的な謎と、その謎を理論的に解明していく姿勢です。生物のなかに魅力的な謎を見出し、その謎を科学的に解明しようと大学院まで188bet体育_188bet备用网址に打ち込んだ日々―。それは、結果として、本格ミステリー小説を書くうえでの精神的な土台スを養い、小説のクオリティを高めることに貢を献している部分もあると言えそうです。献今回の受賞はゴールではなくスタートであり、継続的に作家活動を続けていけるあようにすることが麻根さんの当面の目標でよす。そのために重要になるのがデビュー2す作目。「今回の受賞作とはまったく別の舞作台設定で、これまで以上に本格派のミス台テリーにしていきたい」とのこと。現在、編テ集者と内容を練っているそうで、「凝ったト集リックを多く盛り込んでいきたいですね」とリ意気込みは十分。どんな次回作になるの意か―、とにかく期待が高まります。か10麻根 重次さん(本名:幅 拓哉さん) PROFILE麻根1986年生まれ。長野県長野市出身、安曇野市在住。信州大1986年学では大学院修士課程(現在の総合理工学188bet体育_188bet备用网址科)まで進学では化生物学の188bet体育_188bet备用网址に打ち込む。卒業後は、長野県安曇野市の化生物職員として勤務する傍ら本格ミステリー小説を書き続け、職員と2023年10月に『赤の女王の殺人』が「第16回ばらのまち福山2023年ミステリー文学新人賞」を受賞。2024年3月、講談社から同書ミステが出版され、ミステリー作家としてデビューした。が出版大学院までの進化生物学の188bet体育_188bet备用网址も小説のクオリティを高めている麻根さんは信州大学では進化生物学を専攻し、大学院まで188bet体育_188bet备用网址に熱意を傾けました。今でも進化生物学に高い関心を持っており、受賞作のタイトルも実は進化生物学の仮説に由来しています。市役所業務で生まれたアイデアと市役所業務で生まれたアイデアと信州の大自然とのコラボ作品信州の大自然とのコラボ作品作品に活かす!人賞受賞!

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