る学生も増えつつあるようで、「アイルランド音楽っぽい作品を作りたいのだけれど、どうすればよいですか」などと質問されることがあります。でも、そもそも音楽における「?っぽさ」って何でしょうね。こうした音楽をめぐる、あれこれの疑問を引き受けるのが「音楽学」だと思っています。音楽学は「音楽の歴史や理論、構造や文化的背景などを188bet体育_188bet备用网址対象にする」などと説明されることが多いのですが、歴史的には19世紀後半に枠組みが作られていった比較的新しい学問分野で、だからこそ間口も広い。これまでも文化人類学や社会学、近年では心理学などさまざまな領域と手を組んで展開してきています。40人文学部188bet体育_188bet备用网址室教員│FACULTY MEMBERS 5──音楽という言葉は馴染みがありますが、「音楽学」となるとあまり想像がつかない人も多いと思います。どんな学問なのでしょうか。人文学部 哲学?芸術論コース 准教授 「音楽を学問するってどういうこと?」って思いますよね。たぶんみなさん、音楽を聴くことは好きという人は多いのではないでしょうか。私もモーツァルトやサティ、カントリー?ミュージックにQueenなども大好きです。でも、世界には数え切れないほどの音楽があるのに、どうして「この音楽が好き」あるいは「このアーティストが好き」と思えるのでしょう? あるいは音楽を聴くと「癒される」とか「何だか楽しい」といった感覚をなぜ持てるんでしょう? 最近の信大生はコンピュータで作曲す東京藝術大学音楽学部楽理科卒業。同大学大学院修士課程、博士課程修了。博士(音楽学)。早稲田大学助教を経て2014年より現職。著書に『トルコにおける「国民音楽」の成立』(早稲田大学出版部/2013)、「『アジュ』を歌え:トルコにおけるアラベスクの誕生と展開」『東欧演歌の地政学: ポップフォークが〈国民〉を創る』(アルテスパブリッシング/2023)、「感性を『統合』する:国民音楽からトルコ民俗音楽へ」『トルコ共和国 国民の創成とその変容:アタテュルクとエルドアンのはざまで』(九州大学出版会/2019)など。インタビュアー:藤森なつき(4年/インタビュー当時)大学には疑問や気づきの種がたくさん転がっている「大学生」という切符を手にどんどん挑戦してほしい濱崎友絵 HAMAZAKI, Tomoe
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