そうですね。トルコと日本は地理的にはアジアの西端と東端に位置すると言われますが、音楽の近代化や西洋化のプロセスは互いによく似ていて、音楽史的には面白いと思っています。両国ともに西洋音楽を何とか取り入れようとしたり、自国の音楽に西洋音楽を融合させようとした経緯を■ってきました。民謡をはじめとする民俗音楽は口頭で受け継がれてきたもので、信州にも木遣りや神楽などいろいろありますよね。でも私たち、普段の生活で、たとえば民謡を唄ったりすることはほとんどないんじゃないかな。片やトルコでは誰でも民謡を唄う。響きが日常に溶け込んでいる感じで、とくに自分の故郷の歌などはものすごく大事にしているんです。両国とも音楽領域では似たような近代化や西洋化を目指したのに、民俗音楽を取り巻く様相はずいぶん違う。驚かされます。自分の中では、こうした両国の音楽をめぐる歴史的背景と、「記されてこなかった音楽」の伝承の問題を何とか接続させて考えてみたいという思いがあります。41──先生の188bet体育_188bet备用网址対象はトルコの音楽ですよね。でも授業では日本の民俗音楽も対象にされていらっしゃいますよね。──異なる地域の音楽であるトルコの音楽と日本の民俗音楽でしたが、今お話をうかがってつながりが見えました。ところで、先生は大学生の頃からそのような188bet体育_188bet备用网址をしたいと決めていたのですか? 大学の時は西洋音楽、とりわけオペラに夢中になっていました。そんな時、学部2年生の頃だったかな、授業でインドやインドネシア、トルコなどさまざまな地域の音楽の映像をみて衝撃を受けたんですよね。西洋音楽とは異なった原理や体系で楽しまれている音楽がそこにある。どうやってこんな音楽が生まれたのか、そこにどんな仕組みがあるんだろう、どうしてこんな楽器があるんだろう……等、わからないことだらけで。当時はYoutubeなんて便利なものはなかったので、時間を見つけては図書館でひたすら世界各地の音楽をCDで片っ端から聴いていきました。卒業論文のテーマを決める際も、ずっと好きだったモーツァルトのオペラを188bet体育_188bet备用网址対象にするか、あるいは「わからない」けど興味惹かれる西アジアの音楽にしようか迷って、先生方の188bet体育_188bet备用网址室の扉を何度か叩きました。その時、トルコの音楽の近代化について書かれた文章で疑問に思う箇所があったので教授に質問したところ「それは自分で188bet体育_188bet备用网址してみなさい、トルコは面白いですよ」と言われたんです。それならもうテーマはこれだよね、と(笑)。疑問をもつことから 自分の世界が広がる
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