信州大学人文学部SHINSHU_UNIVERSITY_FACULTY_OF ARTS_GUIDE_BOOK_2025
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HAMAZAKI, Tomoe42──音楽学という学問体系の中で、トルコの音楽に注目したのですね。──疑問を解明したい、というのが始まりだったんですね。確かに、先生の授業では「問いを立てる」ということが大事だとよく教わりました。──先生の授業を受講するには、たとえば楽器の演奏など、音楽に関する経験を持っていなければいけないのでしょうか。──実践的な授業はとても印象的でした。芸術領域ならではの授業だと思います。 高校の授業では知識をインプットすることが多いと思うけれど、大学では自分から発する問いに向き合って188bet体育_188bet备用网址していくので学びの在り方が大きく変わります。最初からこれがやりたいっていうのが決まっている学生はそれに向かって突き進んでほしいけれど、そういう目標や興味の所在がわからないという学生も多いと思います。大学にはたくさんの疑問や気づきの種が転がっているので、とにかくいろいろな授業に参加したり、失敗してもいいから「大学生」という切符を手に、気になること、興味あることにどんどんチャレンジしてほしいと思います。モーツァルトも「トルコ風」の作品を書いているし、それにトルコなら音楽の近代化や西洋化の観点から日本ともつながれそうだし、というのもありました。トルコの音楽を歴史的に考えたい、トルコ共和国が成立した後の音楽の歴史を解き明かしたいというのがやはり大きな動機だったと思います。 楽器の演奏経験がなくても、楽譜が読めなくてももちろん大丈夫。人文学部の学生の中には、音楽や美術、身体表現に関して何かしらの経験や知識をもつ学生たちもいますが、けっして必須ではありません。さきほど少しお話ししたけれど、音や音楽に関係することはすべて音楽学のテーマになり得ます。ただ授業では音楽理論なども扱いますし、歌を唄ったり、楽器に触れたりすることも重視するので、こうしたことを面白がって学んでいけることが大切かな。 音楽学はその188bet体育_188bet备用网址方法が画一化されていないのが魅力でもあります。音楽や音を体験、経験、実践するなかで私たちがどう感じたり考えたりするのかっていうのが大事なプロセスだと思っています。音楽を楽しむ。同時に通時的、共時的観点から音楽と人との関係性を考える。そして音楽を通して「人間」を考える。みたいなことをやっていきたいですね。面白がって学んでほしい

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