信州大学人文学部SHINSHU_UNIVERSITY_FACULTY_OF ARTS_GUIDE_BOOK_2025
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58MESSAGES from GRADUATES 私が入学した時は、2年次以降どのコースに進級するか決めかねていました。そんな時に「せっかく大学に入ったのだから、何かひとつ特技を持っても良いのでは?」という先生の言葉が頭に残り、当時第2外国語として受講していたドイツ語を専攻することに決めました。専門の授業の中で、外国語に限らず日常のコミュニケーション全般が、生きていく上でいかに重要なものであるかを実感しました。言葉遣いひとつであっても、それは自身の所作に反映され、周囲への印象に繋がります。1年間の留学を経て、ドイツ語だけでなく、母語である日本語の使い方にもより一層気を使うようになりました。 現在の私は、市役所で松本市を観光で訪れる方々への案内をしています。在学中のできごとは、サークル活動やアルバイトに至るまで、どんなことも仕事に役立つな、と実感することが多い毎日です。よく聞く言葉ではありますが、まさに「何ひとつ無駄なことは無い」です。自分では遠回りと思っていたことが、将来的に近道となり得るのです。大学生活は人生において最も自由に時間を使える瞬間であり、それはささやかな偶然の出会いを大切にできるということです。信州大学には、日本全国からそれぞれに個性を持った人たちが集まってきます。中でも多様な進級先を選べる人文学部は、自分の価値観を広げることに向いている環境だと思います。今現在入学したいと考えている方も、そうでない方も、まだ迷っている方も、日々転がっているチャンスを逃さず、捕まえてみてください。 在学時、私は芸術コミュニケーション分野に所属していました。ここでは、美術?音楽?身体表現といった芸術の諸分野で、社会との関係性について実践的かつ領域横断的に学びます。 188bet体育_188bet备用网址感染症の影響により、3年次の講義はほとんどがオンラインで行われました。この時期の講義でとったノートのなかに、いまでも印象的な一文が残っています。 「芸術がコミュニケーション(伝達手段)であるというよりも、芸術とともに/によってコミュニケーションがひらかれる」 この言葉は、外出制限により社会と断絶していた当時の私にとって、ある種の救いになりました。漠然と「コミュニケーションの起点となる芸術を社会に接続する役割を担っていきたい」と考えるようになり、現在従事している行政職を志望する一つのきっかけになったのです。 いつかはかならず自分の進む道を選択しなければなりませんが、きっかけはどこにあるかわからないものです。信州大学人文学部では全7コースの学問分野を、すそ野をひろげて学ぶことができます。はじめは興味がなくとも、次第に深みにはまっていくことも少なからずあるかもしれません。ひろく深く学ぶことができるこの環境で、きっかけを探してみてください。きっかけは、どこにあるかわからない根崎香穂2023年卒業松本市役所跡部凜花2022年卒業軽井沢町役場人生において最も自由に時間が使える大学時代日々の体験に何ひとつ無駄はない

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