統合報告書2024
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10Shinshu UniversityIntegrated Report 2024 さて、「長野県発達障がい情報?支援センター」は2023年4月に開所してこの4月でちょうど1年となります。まず始めに本田センター長、センターの果たす役割や、この1年の実績などについてお話しいただけますか。本田秀夫センター長(以下、本田センター長):長野県発達障がい情報?支援センターは、長野県から信州大学医学部附属病院に運営を委託される形で2023年の4月からスタートしております。発達障がいに関する相談支援や研修、啓発などを行うセンターですが、信州大学には発達障がいの専門家がいるという強みを生かし、様々な情報発信をしていこうという趣旨で、あえて“情報”という名称をつけて、長野県発達障がい情報?支援センターという形でスタートしました。 医師、教育学部の先生、それと教育経験者の方にスタッフとして加わっていただいて、県からの事業を引き継ぐという形で行っていますが、加えて様々な情報発信や研修を充実させようということで1年間取り組んできました。いわゆる相談支援は、電話相談が中心ですがこの1年間で200件ほど受けました。 それ以外に様々な研修を企画しており、既に4回研修を行って延べ3,300人の方に受講していただきました。また様々な県内の機関から講師派遣の依頼もあり、この1年間で延べ70回、合計で4,000人ほどを対象に研修も行っています。ホームページも6月に新たに作り、現在1万5,000人にユーザーとして視聴していただいているという状況です。阿部守一知事(以下、阿部知事):我々としては、飛躍的にこのセンターの役割が充実?強化をされていると思って大変感謝しています。本田先生はまさに発達障がいの第一人者ですし、またセンターは本田先生をはじめとして医療関係のスタッフの皆さんに大勢関わっていただいていますので、我々長野県ではできなかったことも含めて大変充実してきていると思っています。長野県発達障がい情報?支援センター長信州大学医学部 子どものこころの発達医学教室 教授信州大学医学部附属病院 子どものこころ診療部 部長ダイジェスト版ダイジェスト版「長野県発達障がい情報?支援センター」発足の経緯?実績について長谷川萌アナウンサー(以下、長谷川アナ):毎年4月2日は2007年に国連が制定した世界自閉症啓発デーです。 この世界自閉啓発デー、そして発達障害啓発週間のスペシャル対談として、お二人にお話を伺ってまいります。発達障がい支援拠点としての役割がこの1年で、飛躍的に充実?強化された。(阿部)対談のフルバージョンは映像でご覧いただけます。ひ でほ んおだあ氏精神科医。医学博士。1988年、東京大学医学部を卒業。横浜市総合リハビリテーションセンターで約20年にわたり発達障害の臨床と188bet体育_188bet备用网址に従事。その後、山梨県立こころの発達総合支援センター初代所長を経て、2014年より信州大学医学部附属病院子どものこころ診療部長、2018年より医学部子どものこころの発達医学教室、2023年より長野県発達障がい情報?支援センター長Integrated Report 2024 Shinshu University特別  対談長野県知事べ司 会はせがわもえし ゅい ち元SBC信越放送アナウンサー現在フリーで活躍中自閉症などの発達障がい者は増加傾向にあり、近年は子どもだけでなく“大人の発達障がい”についても関心が寄せられています。長野県は情報提供体制のさらなる充実などを目的に、2023年4月に発達障がい児?者への支援拠点として信州大学医学部附属病院に「長野県発達障がい情報?支援センター」を開設しました。開設から1年が経ったことなどを機に、長野県の阿部守一知事と信州大学医学部附属病院「子どものこころ診療部」部長で「長野県発達障がい情報?支援センター」の本田秀夫センター長のスペシャル対談を実施。同センターの実績や今後の展望、発達障がい者が暮らしやすいこれからの社会のあり方などについて活発な意見が交わされました。(信州大学広報室)※「障害」「障がい」の表記には議論がありますが、長野県では「障がい」の表記を採用しているため、ここでは一部そのような表記としました。発達障がいの支援拠点が信州大学に設立されて1年…長谷川 萌さん本田 秀夫阿部 守一厚生労働省2024年発達障害啓発週間スペシャル対談発達障がいを“個性”と捉えるニューロダイバーシティの社会へ

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