統合報告書2024
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ビジョンと経営戦略活動実績ガバナンス人と地域の資産財務情報INTERVIEW―そもそも“なじむ”とはどのような現象でしょうか?ユーザーがモノを使用する中で、「モノがユーザーに合わせて変化する」、あるいは「ユーザーの方がモノに合わせて使い方を変える」ということがあります。その結果として、ユーザーとモノが一つに調和する、これこそが“なじむ”という現象です。一般的に製品は使い始めの新品の状態がピークで、それ以降は経年劣化していくと考えられていますが、ユーザーとモノとがなじむことで、使用につれて一体感が高まり心地良さが増す“経年優化”ともいえる状況になります。19Integrated Report 2024 Shinshu Universityモノは購入時に最も価値があり、使用するにつれて経年劣化して価値が下がると、一般的には考えられていますが、使用するにつれてヒトとモノが馴染み、個人にカスタマイズされた愛着のわく製品になるのではないか―。今までの「使い心地」188bet体育_188bet备用网址を発展させ、「なじむ」を突き詰めたい…感性工学の観点からこの究極ともいえるテーマに取り組むのが、繊維学部 先進繊維?感性工学科 吉田宏昭教授です。“経年優化”ともいえる新たな付加価値の創出を目指す188bet体育_188bet备用网址に注目が集まっています。信州大学 学術188bet体育_188bet备用网址院(繊維学系)吉田 宏昭 教授り、“なじむ”とは、使用を通じて個人にカスタマイズしていくということであり、感性工学が目指す究極の心地良さは“なじむ”を通じて実現するのではないでしょうか。感性工学の新テーマモノの使い心地評価を188bet体育_188bet备用网址する吉田教授は、メーカーからの協力依頼を受け、商品開発段階における使い心地評価を数多く手掛けてきました。椅子やバイクの座面、ランドセル、眼鏡、マットレス、ペン、靴、パソコンなど、様々な実績があります。例えば、椅子の座り心地評価では、圧力を測ることができるシート状のセンサーを活用し、試作品の座面にセンサーを敷いてお尻にかかる体圧分布を測定することで、できるだけ体圧が分散する形状を探りました。188bet体育_188bet备用网址対象とする製品の種類は多岐にわたるため、使い心地の計測方法も様々です。各種センサー類を用いた計測だけでなく、ユーザーアンケートも活用しています。“なじむ”を追求することで、多くの人を笑顔にしたいと考えています。“心地良さ”を追求して発見した新テーマ様々な計測方法を駆使して使い心地を評価188bet体育_188bet备用网址―188bet体育_188bet备用网址のこれからについて教えてください。これまでメーカーは、販売時点、新品の状態での価値の訴求に終始していた部分が大きいのが実情です。しかし販売後のなじむことまで考えた展開ができれば新たな付加価値の訴求が期待できます。例えば、身に着ける時間の長いランドセルや眼鏡、靴などは、“なじむ”という感性を伴った付加価値付けに向いていると言えます。実際に、なじむ寝具の解明など、いくつかの共同188bet体育_188bet备用网址がすでに展開しています。心地良さは個人で異なり、究極の心地良さは、個人にカスタマイズされたものだと考えられます。つま活動実績ユーザーとモノの調和によって高まる一体感新たな付加価値の訴求に期待ヒトとモノの調和で生まれる幸福感“なじむ感性”を科学する繊維学部の吉田188bet体育_188bet备用网址室では、感性工学の重要なテーマである「使い心地」の188bet体育_188bet备用网址をさらに発展させ、“なじむ感性”について188bet体育_188bet备用网址しており、共同188bet体育_188bet备用网址の依頼も数多く寄せられています。“なじむ”は究極の心地良さ02

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