022024年11月InIntegrated Report 2024 Shinshu University社会の公器たる信州大学は、その理念※1のもとに、本学が目指す理想の姿、方向性を示す「信州大学長期ビジョン“VISION2030”※2」をはじめとした長期ビジョンを定めています。本学の独自性と固有の存在意義は、これらのビジョンに強く現れています。私は、大学が中心となって、その地域に分散している「人」や「知」を巻き込み、束ねることが、新しい価値を生む原動力になると考えています。そして、それを具現化する行動指針として、第4期中期目標?中期計画や「大学改革実行プラン“inGEAR”」を策定しました。この行動指針に基づき、本学の特色ある取り組みを学内外の多様なステークホルダーの皆様と共創し推進しています。※1)本学の理念は1ページをご参照ください。※2)VISION2030の概要は12ページ「信州大学の価値創造プロセス」を ご参照ください。例えば、学内の188bet体育_188bet备用网址者が個別に保有していた高度な「知」を学部という領域を超えて結集するための188bet体育_188bet备用网址組織として先鋭領域融合188bet体育_188bet备用网址群(ICCER)を構築しました。これにより、総合知による特色ある188bet体育_188bet备用网址を卓越化した結果として、複数の大型政府188bet体育_188bet备用网址開発プロジェクトに採択されてきました。ほかにも、教育面では、分野横断のプログラムや様々な機関との連携による高度な専門人材の育成に注力し、地域に多様な人材を輩出してきました。これらは、まさに信州という豊かなフィールドや地域コミュニティの中で「知」が共有され、また新たな「知」を生み出す核となってきた証左です。この「知」の好循環の原動力となれることこそが信州大学の力であると思います。大学が中心となって多様な学問分野、業界、世代、そして地域社会に分散している「知」を集約すれば、そのコングロマリット効果によってとてつもなく大きなシナジー、新たな価値を生み出すことが可能になります。 さらに、「知」の好循環によるシナジーとして価値を創造し続け、持続可能な社会に貢献し続けるために「グレーター?ユニバーシティ?ビジョン(以下、VGSU:Vision for Greater Shinshu University)」を掲げています。VGSUでは地域の中核として地域社会を牽引し、新たな価値を本学のみならず地域で創出し、地域と一緒に発展するエコシステムを創出することを本学の目指すべき姿の一つとして定義しています。VGSUに基づき、地域の中核として広域連携で取り組む大規模な事業は既に始まっています。具体的には「地域中核?特色ある188bet体育_188bet备用网址大学強化促進事業(J-PEAKS)」として採択されたプロジェクトで、水循環利用や水由来の水素エネルギー製造といった“水の高度利用”を通じ、地球環境問題などの世界の諸課題の解決を目指す「アクア?リジェネレーション(ARG)分野」において、信州のみならず、日本、世界で広域連携を図り、地球環境の課題解決に貢献しようとするものです。また、2024年度には地域全体の持続的な発展に貢献しつつ大学群としての国際競争力を高め、様々な課題や社会からの要請に柔軟に対応できる連携の枠組み「東海地域?国立大学連携プラットフォーム(C-FRONT)」に加わりました(本学の加入により「東海?信州 国立大学連携プラットフォーム(C2-FRONTS)」に名称変更)。こうした連携の枠組みへの参画を通じて、県の枠を超えた広域な連携を図ってまいります。コロナ禍を経て、大学が地域の発展を本気で担う時代が到来しています。本学が持続可能かつ社会に貢献する組織であり続けるためには、日々の教育188bet体育_188bet备用网址活動を通じて、ステークホルダーの皆様と対話し、成果や価値観を共有し、一体感を醸成することが何より大切です。この統合報告書を通じて本学の心意気やフィロソフィー、成果、財務状況等の現状についてご理解を深めていたければ幸いです。変わらぬご支援、ご協力をお願いして、巻頭の挨拶と致します。信州大学の目指す姿「知」の好循環を生み出す力VGSUの実現とさらなる展開へ統合報告書の発行にあたって学長挨拶「グレーター?ユニバーシティ?ビジョン」の実現に向けて
元のページ ../index.html#4