ビジョンと経営戦略活動実績ガバナンス人と地域の資産財務情報39Integrated Report 2024 Shinshu University矢澤ノート:立山縦走記、赤石縦走記など、アルプスを縦走した際のメンバー、登山ルートや生息する動物、高山植物などが詳細に記録されている。山岳関係の記述以外にも、肺や腸の病気を解説した医学系のメモなどがあり、あまりある好奇心と洞察力が窺える。(諏訪市博物館所蔵)長野県立歴史館の開館準備から学芸員として資料の保存、展示等に携わる。2017年より現職。本学の歴史に関わる資料の収集?保存及び学芸員養成課程を担当。専門は日本前近代史、博物館学、アーカイブズ学。究を行い、多くの新種を発見していますが、例えば1921年に朝香宮鳩彦王ご一行と立山縦走をした際にセッケイカワゲラ類の新属?新種(ハネナシカワゲラ)を発見した時の様子をノートに見つけることができます。矢澤ノートには教育に関する記述も多くみられます。矢澤氏は講師を招いて講演会を頻繁に開催していましたが、その内容を紙面いっぱいに記したメモから熱心な教育者としての側面を窺い知ることができます。信州大学に縁のある偉人と言えば、信州大学の前身である長野県師範学校の教諭であり、のちに県歌となった唱歌「信濃の国」の作詞者である浅井洌が有名ですが、矢澤氏は同氏と並ぶ信州大学の礎を築いた人物なのではないか―。こうしたことが、今回の大学史資料センター、自然科学館、附属図書館が連携した調査で分かりました。まさに、信州大学の自然科学188bet体育_188bet备用网址の原点となる史実再発見の取り組みと言えそうです。信州大学大学史資料センター福島 正樹 特任教授ること。特に記述が多いのは高山の動植物などの自然科学188bet体育_188bet备用网址に関することです。同級生の河野齢蔵氏らと乗鞍、白馬、八ヶ岳などで植物?動物の高山学術研3機関が連携して開催した企画展示の内容は、以下からご覧いただけます。松本キャンパスの北東にある信州大学自然科学館は、それらの多様な自然環境に関する資料を幅広く収集し、保管?188bet体育_188bet备用网址に取り組んでいます。また、資料は学生の実習にも利用されています。資料の中でも特に標本は約40万点にも及びます。ライチョウの標本から、旧制高等学校時代に利用されていた標本?器具、大正初期につくられた長野県内の動物標本なども保管されており、自然的?歴史的に非常に貴重なものとなっています。関連施設 ②自然科学館本学が所在する長野県は、広大な面積を持ち、その中に日本有数の豊かな自然を有しています。日本アルプスを中心とした美しい山々、多数の河川、谷、盆地といった様々な地形の中に、多種多様な動植物が生息しており、ライチョウなどの絶滅危惧種も多く見られます。関連施設 ③大学史資料センター大学史資料センターは、前身校を含む本学と地域の歴史に関する、散逸が危惧される資料を体系的に収集?整理?保存?188bet体育_188bet备用网址しています。また、資料を活用した企画展の開催、大学史を学ぶコンテンツの作成?公開等を通し、大学の歴史を未来に継承していく活動を精力的に行っています。電子化された資料や企画展示の内容等はWebでご覧いただけます。ライチョウ標本(自然科学館所蔵)企画展ギャラリートーク人と地域の資産未来につなぐ文化資産04
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