環境報告書2024
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写真 本188bet体育_188bet备用网址で定義した頚部前傾角度ヒツジを連続放牧した。放牧期間中、加速度データは32Hzで連続的に収集された。また、放牧10、20、28、38日目に、放牧地内8ヵ所に設置した固定ビデオカメラを用いて、供試ヒツジの食草行動を連続録画した。その後、撮影した動画の中から、供試ヒツジの側面に対して直角に撮影されている任意の地点を静止画として切り取り、採食行動時における供試ヒツジの頸部前傾角度を測定した。なお本188bet体育_188bet备用网址における頸部前傾角度とは、供試ヒツジの食草行動時における姿勢を真横から観察した時、頸部が地面と水平である状態を0度とし、そこから下方向への角度と定義した。その結果、放牧日数の経過に伴い、頸部前傾角度は有意に大きくなった(放牧10日目40.9°(草高10.5cm); 放牧20日目42.1°(草高5.9cm); 放牧38日目48.0°(草高2.7cm)、p<0.01)。また、頸部前傾角度と3軸加速度計によるX軸加速度値との間に有意な負の相関(相関係数r=-0.54、p<0.05)が認められた。以上より、放牧ヒツジは、放牧地の草高に対応して、食草行動時における頸部前傾角度を変化させ、放牧に伴う自然草高の経時的変化を、食草行動時における頸部前傾角度から把握できる可能性が示唆された。図 頸部前傾角度およびX軸加速度値の散布図環境への放牧とは、人工草地や野草地などに草食家畜を放して直接草を採食利用させる、土?草?家畜の有機的な結合による資源循環型の家畜生産方式である。放牧は、畜産分野から排出される温室効果ガスを最大60%相殺できる可能性がある。特に輪換放牧システムは、固定放牧よりも温室効果ガスの排出量を大幅に削減できると言われている。この輪換放牧システムは、放牧草地を牧柵によりいくつかの牧区に区切り、放牧地面積、草生状態、家畜頭数に応じて、放牧日数を調整しながら牧区を順々に放牧していく方法である。しかし放牧管理従事者にとって、放牧家畜の状態だけでなく、放牧草地の状態や残存草量を常に把握し、適切な時機に放牧地を移動、すなわち転牧を行う必要があり、そこには多大な労力と経験に裏付けされた勘に依存している場合が多い。したがって、熟練者の勘に頼らず、労力軽減できる輪換放牧支援技術を提案できれば、持続可能で、環境にやさしい動物性たんぱく質の供給ができると考えられる。そこで本188bet体育_188bet备用网址では、3軸加速度センサ内蔵の畜産向け行動認識器によるデータをAI処理することにより、自動的に転牧時機を通知する新たな放牧機器の開発を目的とした。はじめに、7頭の供試ヒツジに1頭ずつ行動認識器を装着した。機器装着後、33aの人工草地に39日間、供試2-1 環境教育修士論文総合理工学188bet体育_188bet备用网址科農学専攻 片岡 亜子放牧ヒツジ用行動推定アルゴリズムによる転牧時機の予測1702取り組み修士論文?卒業論文

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