信大NOW147号
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puyna信州大学発スタートアップ企業特集traomp-Sct写真は、OURCARのカーステーションの一例(幟はイベント時のもの)。背景を見ても分かる通り、住宅地の中にある普通の駐車場に設置されています。以来、現在は長野県内の3市(長野市、松本市、上田市)で提供されています。カーシェアサービスは大都市を抱える東京都や大阪府などに集中しているのが実情で、長野県などの地方部ではあまり普及が進んでいないというのが実情のようです。しかも、ほとんどがレンタカー営業所を通じてサービスを提供する形をとっており、主要街道沿いにレンタカーが点在しているので、日常から使うには手軽とは言えないのが実情です。そんな地方に特化し、従来とは異なる手法で手軽なカーシェアサービスを実現しようとしているのが、TRILL.の提供する「OURCAR」です。その最大の特長は、利用者が徒歩5分程度でたどり着けるよう、カーステーションを住宅街の中に設置していること。「スニーカーを履くような気軽さで車に乗れることを目指している」と、同社の藤森社長は話します。OURCARでシェアされる車は基本的に「わ」ナンバーの車(有償貸渡用の車両)やTRILL.が提供するカーシェアサービス「OURCAR(アワカ)」の出したい人をマッチングする。地域の個人の車を未利用時間に貸し出す手法をとっています。そして、その駐車場所をカーステーションとすることで、住宅地や生活圏内で手軽に借りられる環境を実現しています。従来のカーシェアサービスのように、09繊維学部卒業生の藤森研伍さんが代表取締役を務める信州大学発スタートアップ企業の「株式会社TRILL.(トリル)」(長野市)。同社は、地方ならではの移動の課題を、カーシェアサービス「OURCAR(アワカ)」の提供を通じて解決していきたいと考えています。藤森さんが描く地方交通インフラの新たな形とは?(文?中村 光宏)地方でも利用しやすいカーシェアを地方に特化した独自の手法によるカーシェアサービスを実現しようとしている信州大学発スタートアップ企業があります。繊維学部卒業生の藤森研伍さんが代表取締役を務める「株式会社TRILL.」です。同社が提供する「OURCAR」は、2022年に長野市のスタートアップ支援事業に、2023年に長野県の信州アクセラレーションプログラム事業にも採択されるなど高い評価を受けました。2023年1月のサービス開始交通手段の多くをマイカーに頼らざるを得ない長野県…信州大学発スタートアップ「TRILL.」が描く、地方交通の新たな形地方の移動課題を“カーシェア”で解決!

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