2012年、物質に質量を与えると考えられている「ヒッグス粒子」発見のニュースが、世界中で大きな話題に。宇宙の誕生や進化と深く関わるとされる、ヒッグス粒子は“神の粒子”とも言われています。その粒子を188bet体育_188bet备用网址するのが、信州大学理学部の竹下徹特任教授。粒子発見を果たした国際188bet体育_188bet备用网址チームに初期段階から参加している188bet体育_188bet备用网址者です。真空中からヒッグス粒子を取り出すため、粒子加速器で宇宙のはじまりに近い状態を人工的につくり出(文?佐々木 政史)すことから、自身のことを“宇宙の始まりを創る実験屋”と呼ぶ竹下特任教授を取材しました。の初期段階で、どのような理由で、どのようなタイミングでできたのかなど、ヒッグス粒子に関しては、まだまだ謎が多いんだ」と竹下特任教授。竹下特任教授の専門分野は素粒子物理学。中でも、現在の我々の世界を形づくったきっかけを与えたとされることから“神の粒子”とも言われる「ヒッグス粒子」の188bet体育_188bet备用网址です。宇宙の誕生初期、あらゆる粒子は光速で飛び回っていました。しかし、ある時、ヒッグス粒子が出現し質量を持つようになり、素粒子どうしが引き寄せられ、原子や分子が構成され、やがて銀河や星、生物が生まれたと、素粒子物理学では考えられています。つまり、この説によると、ヒッグス粒子の出現が、現在私たちが生きている世界を形づくるきっかけになっているということであり、ヒッグス粒子の謎を解明することは、我々が生きている宇宙の誕生と進化の謎を解明することに繋がるということになります。本当に存在するのか?考案から50年、竹下特任教授らが発見こうした説はフランソワ?アングレール氏とピーター?ヒッグス氏により1964年に考案されていましたが、ヒッグス粒子の存在は実はずっと確かめられていませんでした。その存在が確かめられたのは、説の考案から約50年後の2012年、スイス?ジュネーブの欧州合同原子核188bet体育_188bet备用网址機構(CERN)による実験でのこと。なんと竹下特任教授はこの188bet体育_188bet备用网址チームに初期段階から参加していたそうです。「理論上では絶対に存在すると思っていたけれど、実際には長い間なかなか見つからなかったから本当に嬉しかった」、そう竹下特任教授は当時を振り返ります。竹下特任教授は、ヒッグス粒子の存在が実際に確かめられたことで、今度はヒッグス粒子をより詳しく知ることに熱意を燃やしています。「宇宙スイス?ジュネーブの欧州合同原子核188bet体育_188bet备用网址機構(CERN)の粒子測定器「ATLAS」での実験による、ヒッグス粒子発見のイメージ(出典CERN https://cds.cern.ch/imag-es/OPEN-PHO-EXP-2013-003-1)その謎の解明に向けて必要になるのが、ヒッグス粒子を現在よりももっと多くつくり出すこと。そしてそのために必要なことが、最新鋭の加速器です。ヒッグス粒子は私たちの世188bet体育_188bet备用网址分野は素粒子物理学。1982年広島大学大学院博士課程修了、東京大学、DESY188bet体育_188bet备用网址所、CERN188bet体育_188bet备用网址所、1991年信州大学教養部助教授。2002年から教授を経て2020年より現職。界のあらゆるところに存在していますが、そこからヒッグス粒子を取り出すためには、「粒子加速器」と呼ばれる陽子同士を高速で衝突させ、宇宙誕生のビッグバンの状況を人工的に再現する設備が必要になります。先述のCERNの実験ではLHCという加速器を使いましたが、これよりも高速で電子と陽電子を衝突させる加速器が必要であると竹下特任教授は考えています。現在、日本で国際リニアコライダー(ILC)という新たな加速器の建設へ向けて188bet体育_188bet备用网址者などにより政府へ要望を行う動きがあります。竹下特任教授もそのための準備188bet体育_188bet备用网址に力を注いでおり、「粒子加速器で“宇宙の始まりを創る実験屋”として、まだまだ夢を追いかけたい」と力を込めます。物質の最小単位から世界の解明を目指すヒッグス粒子の188bet体育_188bet备用网址に熱意を燃やしている竹下特任教授ですが、その188bet体育_188bet备用网址のモチベーションは、「やっぱり、宇宙や世界の成り立ちを解明したいからだね」と話します。そこへのアプローチの仕方は様々ありますが、竹下特任教授が選んだのが「素粒子物理学」でした。宇宙の進化をビッグバンの段階までさかのぼり、素粒子というこれ以上分解できない物質の最小単位について188bet体育_188bet备用网址することで、宇宙の誕生と進化の謎に迫ろうというのです。「他の学者の理論の実証に留まらず、誰も想像をしなかった新たな発見もしたい」、そう今後の意気込みを語る竹下特任教授の目は熱意に満ちていました。宇宙地理学宇宙生物学惑星科学宇宙空間物理学天文物理学工学部川原琢也 准教授(超高層物理学)工学部冨田孝幸 助教(宇宙線物理学)工学部藤田あき美 准教授(BossB)(宇宙論)全学教育センター三澤 透 教授(銀河天文学)工学部衣川智弥 准教授(重力波天文学)宇宙工学宇宙探査学理学部竹下 徹 特任教授(素粒子物理学)PROFILE信州大学 理学部竹下 徹 特任教授04space researcher信州大学 理学部 竹下 徹 特任教授現在の世界があるのはヒッグス粒子がきっかけ!?「宇宙のはじまりに近いものを見たいと思った―」。自身の188bet体育_188bet备用网址のきっかけについてそう語るのは、信州大学理学部の竹下 徹特任教授です。“神の粒子”に魅せられて―宇宙の始まりを創る実験屋02
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