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11あさしょうわじその担任は信州大学教育学部の卒業生の麻和正志さん。映画づくりの手法を取り入れたユニークな教育に22年間取り組んでおり、これまでに授業で制作した映画は21本にもなります。子どもの問題解決能力や協働、自主性を育むとして各方面で高い評価を得ており、第96回アカデミー賞で視覚効果賞を受賞した「ゴジラ?1.0」の山崎貴監督も注目するほどです。“麻和プロダクション”の最新作は、37人の児童で制作中の『八面大王の逆襲』という作品。地域の文化や歴史を背景に友達の大切さを描いた、特撮やVFXも駆使したSFファンタジーです。八面大王は安曇野市に伝わる伝説上の人物ですが、その存在を知らない児童は意外と多く、映画づくりを通じて地域の文化や歴志を持っていきいきと活躍する信大同窓生を描くシリーズ、第9回は映画づくりを通じた教育に22年間取り組んでいる梓川小学校教諭の麻和正志さんです。そのユニークな教育手法は問題解決能力や協働の精神を養うなど、児童に良い影響をもたらしているといいます。アカデミー賞を受賞したあの監督も注目しているのだとか。プロデューサー、ディレクター、監督、役者、大道具、小道具、衣装係…とほとんどの役割を児童が担い、クラスがワンチームとなってひとつの作品を作り上げる―。「総合的な学習の時間」で映画づくり教育に込める麻和さんの想いをお聞きしました。(文?佐々木 政史)麻和正志さん PROFILE1966年長野県松本市生まれ。1988年信州大学教育学部卒業。中学校の美術教師として教師としてのキャリアをスタートさせ、現在は松本市梓川小学校教諭。映画づくりを通じたユニークな教育手法が評価され、2022年に全国視聴覚教育連盟の視聴覚教育功労者に選ばれる。「林檎野アサコ」のペンネームでアーティスト活動も行っている。撮影時の一コマ。役者もカメラ、照明等のスタッフも真剣そのもの。史を知ることにもつながっているそうです。麻和さんが映画づくりで大事にしていることのひとつは、児童の自主性を尊重し、自らはサポートに徹すること。プロデューサーもディレクターも監督も役者もスタッフも全てを児童に委ねています。「映画づくりを通じて成長して欲しいと考えています。つくり終わった後、児童は長野県松本市問題解決、協働、自主性…子どもの様々な力を育む「よーい、はい!」カチンコの音があたり一面に鳴り響く。迫真の演技をする役者、レフ板を抱えるスタッフ、真剣な表情で演技を追うカメラマン…。実はこれ、松本市梓川小学校6年4組の「総合的な学習」の授業の様子です。“映画づくり”の手法を教育現場へ…子どもたちの自主性を培うユニーク実践、22年目!さん梓川小学校教諭麻和 正志教育学部卒業生

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