信州リンゴを広めるため収穫したリンゴは京都まで14作業の様子。作業の他にも、りんごオーナーさんの案内など広範囲にお手伝いを行う。隊員たちはりんごネーム(ニックネーム)で呼び合うのが伝統。京都大学での学祭の様子。一年かけて育ったリンゴの販売は喜びもひとしお!もちろん銀嶺祭にも出店します。品種の違いや栽培についてとても詳しく話してくれた清水さん。隊長として、農家への挨拶回りから始まり、毎週の連絡、各イベントの企画運営等に携わる。これまで運営主体は2年生だったが、コロナで1年空いてしまったため、現在は3年生が運営している。りんごネームは「あいちゃん」れました。 りんご部隊の活動は、農ある暮らしがより求められるようになった今でこそ自然なことに思えますが、発足は1988年と37年も前でした。ここまで継続できた理由のひとつに、農家と学生との大きな信頼関係があるようです。隊長の清水さんは、作業を実施する週の早くて1ヶ月前~1週間前にかけて農家と連絡をとり、参加する学生の募集?調整を行い、毎週の活動がスムーズに進むよう努めてきました。各隊員も“作業させてもらっている”という感謝の気持ちを忘れず、真摯に作業を行っているといいます。知ってもらい、関心を持ってもらえたらという想いもあるようです」と清水さんは教えてく りんご部隊の活動は作業だけではありません。例えば、農家を招いての勉強会も開催しています。実情を聞いたり、リンゴの見分け方や食べ方について教えてもらう勉強会です。秋にはリンゴの食べ比べをし、今年は13品種のリンゴが農家から提供されました。 そして一年を締めくくる毎年恒例の大イベントが、京都大学学祭でのリンゴ販売。学生はお手伝いの報酬として一人につきコンテナ1個分のリンゴをいただきますが、そのリンゴを京都へ運び、今年は約4,000個を販売しました。事前の予約注文も多く、学祭のコンテンツとしてのファンが多くいるそうです。 37年の歴史をつなぎ活動してきたりんご部隊ですが、毎週の活動を継続していくことは簡単なことではありません。筆者も大学時代に農業サークルに所属していましたが、成長する農産物の栽培管理と学生生活の両立はとても難しかったことを覚えています。一方で、畑や農家さんから学ぶことは本当に多く、人生に大きな影響を与えてくれました。清水さんも「自然と共にある農業の大変さなどを体感し、作り手を意識するようになった」と振り返ります。そして「畑まで足を運ぶのは大変だと思うけど、来てみたら絶対楽しい。まずは一度体験してみて」と後輩へメッセージを送りました。(文?平川萌々子)りんご部隊 隊長 清水康史さん(人文学部人文学科心理学分野3年)
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