信大NOW149号
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「環境」×「経済」の先進地を目指して【基調講演】ECO?‐FRONTS佐藤 健 氏 飯田市長/南信州広域連合長ら取り組みを進めていきますので、環境関連の04※熱源から生産される熱、電気に加え、発生するCO?も有効活用するエネルギー供給システム【招待講演】エア?ウォーターの地産地消?資源循環の取り組み江口 明日美 氏 エア?ウォーター(株)エネルギーソリューショングループ 地球の恵みファーム グループリーダーを駆使し、地域に必要な電力や燃料を供給する取り組みをこ信州大学が飯田市を実証タウンとして水188bet体育_188bet备用网址を行っていただくことが決まりましたので、今日はそのことを踏まえて、これから飯田市が取り組もうとしている「ECO?‐FRONTS」のまちづくりについてお話しさせていただこうと思います。具体的には、環境(エコロジー)を種に、経済(エコノミー)の活性化を目指したものです。飯田市は長野県の最南端に位置し、温暖な気候と日照時間の長さが特徴です。また、台風や地震などの自然災害が少なく、自然エネルギーの活用に適した環境に恵まれています。このような地理的条件も背景に1996年に「環境文化都市」を掲げ、市民の環境意識を高める活動を開始しました。2008年には環境モデル都市、2022年には環境省の脱炭素先行地域に選定されるなど、全国的にも注目される環境政策を展開しています。飯田市の環境関連の取り組みの一つとして、信州大学と連携した水素エネルギーの188bet体育_188bet备用网址があります。太陽光を活用し、グリーン水素を製造する新しい光触媒技術を社会実装する実証188bet体育_188bet备用网址を行います。この技術は、太陽光と水を利用して水素を生成するもので、地域に適した規模のプラントを構築できます。これにより、輸送コストの削減と地産地消モデルの実現が期待されています。さらに、未利用農地を活用してバイオエタノールを生産し、それを基にしたバイオプロパンガスの製造にも取り組む予定です。地域の家庭用エネルギーとして利用し、循環型経済を支える基盤とする計画です。これらの取り組みは、地域内で完結するエネルギー循環の実現に寄与し、環境負荷を低減しながら経済活性化を目指すものです。また、飯田市にはリニア中央新幹線の駅が設置される予定であり、これを契機に地域の交通網や産業構造の変革を目指しています。リニア駅周辺では、水素を活用したバスなどの二次交通を整備し、地域の利便性と「環境」を両立させる計画が進行中です。加えて、リニア駅周辺の様々な施設で信州大学の水循環技術を用いることで、限られた水資源を効率的に利用する仕組みを構築し、持続可能な地域づくりを進めていこうと考えています。飯田市は様々な気候上のメリットもありますし、将来はリニアも通る予定です。そして何より信州大学の水188bet体育_188bet备用网址の実証タウンとしてこれか取り組みで経済を活性化する飯田市にぜひ興味を持っていただき、ぜひ皆さまと一緒に日本一住みたい中部圏の中核都市を作っていければと思っております。本日はエア?ウォーターの「地産地消?資源循環」に関する取り組みについてお話しさせていただきます。弊社は地球の恵みを「なくてはならないもの」に進化させて社会に安定供給することを目指し、産業ガス、エネルギー、医療、防災、農業、食品、物流など多岐にわたる分野で事業を展開しています。長野県には36カ所の拠点があり、大町市では「北アルプスの天然水」の製造?販売を行い、松本市では188bet体育_188bet备用网址所や産業ガスのプラント、福祉施設、公共の宿泊施設「梓水苑」を運営しています。また、安曇野市では地域の木材を活用した木質バイオマス発電施設「安曇野バイオマスエネルギーセンター」を設置し、隣接するトマトハウスとあわせてトリジェネレーション事業※を進めています。さらに、グループ会社で飲料メーカーのゴールドパック株式会社では地下水を守る森林保全活動を行い、この取り組みが評価され国の水循環認証を取得しています。現在、信州大学との連携も検討しながら、2025年完成を目指して、松本市にエネルギーと資源循環のモデル施設「地球の恵みファーム?松本」を建設中です。ここでは、4つの施設を同一敷地内に設置する予定です。1つめは、バイオマスガス化施設で、剪定枝やおがくずといった未利用バイオマスを活用して、電気や熱、CO?等を生産し利活用します。2つめはメタン発酵施設で、食品廃棄物をメタン発酵し、発生させたバイオガスは発電、消化液は肥料として利用します。3つめはスマート農業ハウスで、施設で発生する熱や二酸化炭素を栽培に利用します。そして4つめは陸上養殖施設で、地下水を活用したサーモンの養殖を行います。「地球の恵みファーム?松本」では、これらの施設間で資源を循環させることで、地域の未利用資源を活用し、持続可能な循環モデルの実現を目指しています。具体的には、例えば、メタン発酵の消化液を肥料として農作物の栽培に活用します。また、陸上養殖の海水を含む排水を用いて植物を育てるアクアポニックスの実証や、施設内で出てくる廃液を、再利用できるくらいキレイに浄化する技術も合わせて実証していこうと考えています。エア?ウォーターは、地域資源に応じたエネルギー変換技術れからも進めていきます。自治体や大学などとの連携を通じて、地域資源を最大限活用するモデルを構築し、地域活性化を目指していければと考えています。

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