信大NOW149号
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【閉会挨拶】中村 宗一郎 信州大学 学長も開催されますので、ぜひ多くの方にご参加い06信大クリスタルが織りなすまちづくり手嶋 勝弥 信州大学 アクア?リジェネレーション機構長学長特別補佐/卓越教授置できていない地域が多くあります。私はいずシンポジウムのテーマである水188bet体育_188bet备用网址に関してお伝えしたいことは、「一緒にアクションを起こしましょう」ということです。 水は、日本では非常に豊富にあるため課題感が乏しいのですが、世界に目を向けるとその問題が深刻化していることがわかります。地球環境の持続可能性を示す「プラネタリーバウンダリー」では、6つの領域が限界を超えており、そのほとんどが水とエネルギーに関連しています。このような問題を打開するため、信州大学は「アースポジティブ」の理念のもと、水とエネルギーを中心にJ-PEAKSへの取り組みをスタートしています。そのなかでコアサイエンスはやはり強みであるマテリアルです。カーボンナノチューブやセルロースナノファイバーを活用した水処理膜の開発など、素材科学を基盤とした188bet体育_188bet备用网址を進めています。また、水素の製造にも取り組んでいますし、私たちの188bet体育_188bet备用网址室では結晶材料を使って水をきれいにしています。これらの188bet体育_188bet备用网址については、飯田市を実証拠点とする取り組みを進めています。水と水素を中心にした循環のまちづくりアクションです。また、水188bet体育_188bet备用网址の新たな拠点「アクア?リジネーション機構」を2024年3月に発足し、水188bet体育_188bet备用网址で国内外の大学や企業との連携を深めています。最終的には10ユニット、総勢160名ほどの教員団で構成され、大学院を備えた組織を作ります。松本市にアクア?リジネーション共創188bet体育_188bet备用网址センターという建物を建設中で、完全に自立して遠隔操作で実験可能なロボットラボや植物工場などの特徴を備えます。 さて、ここで私の188bet体育_188bet备用网址である「信大クリスタル」を通じたアクションを紹介します。信大クリスタルはフラックス法で作製した結晶材料で、簡便かつ低エネルギーで目的結晶が得られます。この結晶材料を応用し、重金属イオンを効率的に除去できる浄水器や災害対策用ボトルが製品化されています。特に、浄水器は日本酒やクラフトビール製造、ならびに食品加工工場、レストラン?カフェなど、広範な分野で活用されています。また、信大クリスタルを導入したマイボトル専用アクアスポット、いわゆる無料の浄水器「swee(スウィー)」の設置を通じ、ペットボトルの水をやめて水道水を飲もうというアクションにも取り組んでいます。設置箇所は長野県内約50カ所に近づいてきましたが、それでもまだ設れ県内の全ての地域に設置したいと考えており、これからもアクションを起こしていきます。皆さまには、ぜひ水というキーワードで、アクションにご協力いただければと思っています。今日は「大学が変われば社会が変わる」 そんな可能性についてお話したいと思います。持続可能なアースポジティブな世界を作るためには、様々な面で行動変容が求められるわけですが、大学が変わればおそらく色々なことが動き出すと考えています。大学が変わることの一環として、我々は「アクア?リジェネレーション」という非常に壮大なビジョンを掲げております。水とエネルギーを軸にアースゼロポジティブで持続可能な世界を目指すもので、まさに価値を創造する取り組みです。機構の大きな特徴は、飯田市に協力いただき、実証タウンを形成しようとしていることです。ここでは、水素を中心に据えた社会づくりを進めていますが、私はこれを「水素トランスフォーメーション」と呼んでいます。水を無限に循環させる仕組みづくりです。この仕組みがうまくいけば、水素を利用してエネルギーを生み出したり、プラスチック製品を作ることなどが可能になります。水とエネルギーが織りなす未来都市「水素ウーブンシティ」―このようなものが近未来にはできるのではないかと期待しています。サーキュラーウォーターエコノミーによる豊かな社会の実現、その先駆的なモデルになるのではないかなというふうに思っています。飯田市はリニア中央新幹線や新しい道路網が整備されることで今後、中部地域の重要な拠点となるでしょう。学術とイノベーションの融合都市になればというのが、私のかねてからの願いです。アクア?リジェネレーション機構では、国内外の大学や企業とも連携しておりますが、今日お集まりの皆さま方にも、ぜひ機構の取り組みに参加していただきたいと思っております。機構の成果は、2025年の大阪?関西万博で披露される予定で、2025年2月には東京でプレイベントただければと思います。繰り返しになりますが、アースポジティブな社会の実現に向かって、これからも歩みを進めてまいりますので、ぜひ皆さまのお力をお貸しいただければと思います。

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