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第12回ライフクリエイター入門演習が行われました。

ライフクリエイター入門演習

第12回 「AIと先端医療」(2021年7月7日)

信州大学社会基盤188bet体育_188bet备用网址所 特任教授

東京大学先端科学技術188bet体育_188bet备用网址センター シニアリサーチフェロー 油谷浩幸

第12回は、がんの遺伝子解析や先端医療を188bet体育_188bet备用网址する油谷治幸先生が、がんと遺伝子の関係を説明し、一人ひとりの遺伝子型に応じたがん治療のあり方を紹介しました。また、先端医療の現場におけるAI活用の現状と可能性についてお話ししました。

1.がんは遺伝子の病気である

がんは、何らかの原因で遺伝子に変異が起こり、それが蓄積された結果である。「日本人の二人に一人はがんになる」とされ、加齢とともに変異の蓄積が進んでいく。発がんには遺伝的素因と環境因子とがある。遺伝的に「がん遺伝子」「がん抑制遺伝子」「修復遺伝子」などが故障している場合は発がんの可能性が高くなる。一方で、感染症などで後天的に炎症が起き、新しい細胞を作る際、コピーの作り間違いでがんになる場合もある。喫煙や肥満、飲酒、化学物質などの生活習慣も環境因子とされる。

2.がんゲノムの解析とがんゲノム医療へのアプローチ

2000年代初頭にヒトゲノムの解析が完成し、次世代シークエンサーの登場で短時間に大量のゲノム解析が可能となった。そこで次に計画されたのはがんゲノムの解析だった。50種類のがんをそれぞれ500症例、計25,000件のがんゲノムを解析し、どのがんでどの遺伝子が傷ついているかというデータを集めた。これらの膨大なデータをどのように管理し使っていくかという議論もますます重要となっている。

がんのゲノム解析が進むとともに、がん患者の遺伝子型に応じた治療方法を提供するアプローチが始まっている。がん治療に使う新薬の治験結果を遺伝子型ごとに分析したものを「がんゲノム情報管理センター(C-CAT)」が集め、個人を特定できる情報を隠した上で様々な主体が利用できるように開かれている。

3.がん188bet体育_188bet备用网址とAI

がん医療でAIが最も使われているのは画像認識の分野である。胃カメラの画像からがんを発見するAIや、病理画像からがん組織を見つけ出すAIなど様々な場面で医者や188bet体育_188bet备用网址者たちの助けとなっている。また、新薬の開発において、標的に結合する新薬候補の化合物を見つける過程などにAIを導入することで、開発の成功率を上げ、コストを削減できると考えられる。

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