事業概要

本事業について

ARIM事業(マテリアル先端リサーチインフラ事業)とは、文部科学省が物質材料機構を中心とした国内25機関の設備を共用するとともに、それらの装置が生み出したデータを収集し、データ駆動による材料開発をも促すプログラムで、令和3年度まで実施してきたナノテクノロジープラットフォームの後継事業です。
信州大学ではナノテクノロジープラットフォームにおいて、カーボン系材料や有機合成を行う合成支援を中心に活動して参りましたが、ARIMにおいては、ナノスケールマテリアル領域(九州大学がハブ機関)のスポーク機関として参画しています。この事業では、分析系の装置を拡充し、優れたデータを生み出す分析支援と、前事業から継続の合成支援の両方を行います。
装置利用に際しては、ARIMを主に担当する者を含め本学のスタッフが分析や材料合成のノウハウを含めてサポートいたします。特に共同188bet体育_188bet备用网址型支援をお選びいただきますと、本学のスタッフが材料開発の支援を行うとともに必要な分析装置も一定の時間までご利用いただけます。可能な場合はデータを提供いただき、センターハブ(物質?材料機構)にて収集するプログラムになっており、この場合は低廉な利用料金を設定しております。

主な支援例

ダイヤモンド薄膜の利用

ダイヤモンド薄膜の利用

電気的特性や熱伝導性、耐薬品性などに特徴のあるダイヤモンド膜の形成を検討されていた民間企業様向けに、ダイヤモンド膜を形成するマイクロ波CVD装置での支援を行い、独自合成法との比較検討も支援しました。

各種材料の表面分析

各種材料の表面分析

自社機器の信頼性向上を図るために各部材の表面観察を希望された機器メーカーの民間企業様向けに、光電子分光法(ESCA)を用いた化学組成分析および走査電子顕微鏡による形状評価を行い、特性の再現性との関連を議論しました。

電子部品の形状観察

電子部品の形状観察

化学合成する部品材料の評価に苦労されていた電子部品メーカーの民間企業様向けに、透過電子顕微鏡による観察と結晶の同定で、これを用いて形成される化合物と結晶の様子と部品特性の相関を議論していただきました。

電子部品材料の酸化物の分析

電子部品材料の酸化物の分析

酸化物中の構成元素(金属、酸素)や添加物の挙動、電気的特性への寄与を検討されていた電子部品開発の民間企業様向けに、光電子分光法(ESCA)を用いた化学組成分析と透過電子顕微鏡による微細構造の解析を行いました。

新光触媒材料の開発

新光触媒材料の開発

金属酸化物を用いた光触媒材料を商品化されていた民間企業様向けに、透過電子顕微鏡での分析や電気的特性の評価を行いました。

新規の原料を用いたナノカーボンの合成

新規の原料を用いたナノカーボンの合成

地元特産農産物について、高温処理によるナノカーボンの合成を検討されていた民間企業様向けに、熱処理の実施や、TEM/SEM観察に加え、ラマン散乱による分析により形成されるカーボンの種類を示しました。

独自開発のナノカーボンの評価

独自開発のナノカーボンの評価

独自方法での新規ナノカーボンの量産を検討されていた民間企業様向けに、合成条件の協議やできたものの分析方法を協議しました。

成果公開(報告書の公開)およびデータの提供について

本事業をご利用の際は、基本的に成果公開(利用報告書の公開)をお願いしています。ご利用いただいた成果については、年度末に利用報告書を提出していただきます。利用報告書の内容は、旧来のナノテクノロジープラットフォーム事業(A4版1~2ページ)と同様の項目ですが、今後、web画面入力を可能とする予定です。また、特許取得等のために2年間まで公開延期が可能です。

また、本事業では、分析機器、電子顕微鏡などで取得したデータを収集し利活用することが事業の主要目的としています。データの提供を可とする利用者におかれましては、、ARIM共用設備に記録されたデータの保管等を自ら行って下さい。データのアップロードが可能となった時点より、共用設備に接続されたコンピュータよりハブ機関の九州大学サーバーにアップロードしていただきます。

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