令和4年(2022年)年頭挨拶
令和4年(2022年)年頭挨拶
学長 中村 宗一郎
謹んで新春のお慶びを申し上げます。
教職員、学生の皆さまをはじめ、学内外のステークホルダーの皆さまにおかれましては、お健やかに新春をお迎えのことと存じます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
さて早速ですが、昨年を振り返ってみますと、何はさておき、『新型コロナウィルス』に振り回された日々でした。ジョンズ?ホプキンス大学の「COVID-19 Dashboard」によると、これまで約2億8千万人がこのウィルスに感染したことが明らかになっています。現在の世界人口は約79億人とされていますから、実に人類の約30人に1人が感染したことになります。日本でも変異株「オミクロン株」の市中感染が報じられ、予断を許さない状況が続いていますが、上述のダッシュボードでは、わが国の新規感染者数や死者数は、アメリカ、イギリス、ドイツなどと比べて2桁少ない動向を示しています。“ファクターX”の真偽については、今後の188bet体育_188bet备用网址の進展を待つとして、『結果(感染抑制)は全ての行為の積み重ね』であることを多くの人々の中で共有できた成果によるのではないかと、浅慮しているところです。本学におきましても、関係の皆さまの深いご理解、多大なご尽力、ご支援等により、人類史上まれにみる危機を乗り越えてまいりました。この場を借りて、心から厚く御礼を申し上げます。一方で、様々な課題も見えてきましたので、今後は、さらに気を引き締め、『突発的インシデントに即応したアジャイル?スクラムが組めるようなレジリエントでフレキシブルな組織』へ変容すべく、一段と努力を積み重ねていく所存です。皆さまには、引き続きご理解とご協力のほど何卒よろしくお願い申し上げます。
繰り返しになりますが、この度のコロナ禍では、様々なことを考えさせられました。地方大学がその地域に存在する意義、地方大学が果たすべき役割について原点に立ちかえって考え直す端緒となりました。ウィズコロナ/アフターコロナ社会においては、地方大学が地域の中で果たす「教育」「188bet体育_188bet备用网址」「社会貢献」の役割は、ますます大きく重要になると思われます。大学が中心となり、多様な学問分野、業界、世代、そして地域社会に分散している「人」や「知」を集約?結集すれば、そのシナジー効果によって、莫大な新しい価値、破壊的イノベーションを生み出すことが可能となります。ウィズ/アフターコロナ社会では、SDGsの理念目標の浸透定着とも相まって、グリーン回帰という新常識が世の中を席巻することになるでしょう。本学においてもその一翼を担うべく、グリーン(エネルギー)トランスフォーメーションに向けた教育188bet体育_188bet备用网址、社会貢献を加速していく必要があります。ウェル?ビーイングに裏打ちされたベター?フューチャーを達成するためには、サイエンスとアーツ(人文知)のコラボレーションが極めて重要です。別の言い方をすれば、大学には「知」の創造に加えて、社会と深く連携して「人」や「知」から派生する、新しい価値の共有?定着の役割を果たすことが期待されています。
“パーソナルコンピュータの父”と呼ばれているアラン?カーティス?ケイは、『未来を予測する最良の方法は、自らそれの創造に加わることである』と述べています。予てより国立大学法人には、社会の変革のエンジンとなることが期待されてきました。VUCA(Volatility変動性、Uncertainty不確実性、Complexity複雑性、Ambiguity曖昧性)の時代だからこそ、大学自体がゲームチェンジャーの装置となることが求められているのです。本学の持てる力、自然科学、社会科学、人文科学を総動員して、私たちの目の前に立ちはだかる難題に対して果敢に立ち向かっていきましょう。明るい未来を切り拓くフロントランナーになろうではありませんか。そのためには、「188bet体育_188bet备用网址力」に加えて「人文知力」のワンランクアップが必須となります。「人文知力」を軸にアウフヘーベンのプロセスを重ねていくことが出来れば、信州大学の未来は明るいと考えます。『信州大学の本領は“人文知の底力”にこそある』と言われるようになりたい、そう強く念じています。
私は、謙虚に皆さまお一人おひとりの声に耳を傾け、地域社会やステークホルダーからの共感と信頼が得られるよう粉骨砕身、尽力してまいります。皆さまのご健勝とご活躍をご祈念申し上げ、年頭の挨拶といたします。