令和5年(2023年)年頭挨拶
令和5年(2023年)年頭挨拶
学長 中村 宗一郎
謹んで新春のお慶びを申し上げます。
教職員、学生の皆さまをはじめ、学内外のステークホルダーの皆さまにおかれましては、お健やかに新春をお迎えのことと存じます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
昨年一年間を振り返ってみますと、何はさておき、令和4年4月1日からスタートした第四期中期目標?中期計画期間(令和4~令和9年度)があげられると思います。ご存知のように、文部科学省は令和2年12月25日付で、「国立大学法人の戦略的な経営実現に向けて~社会変革を駆動する真の経営体へ~(国立大学法人の戦略的経営実現に向けた検討会議)」を公表しました。これを受けて、今期から、国と国立大学法人との関係が「規制による事前管理型」から「事後チェック型を基本とした“自律的契約関係型”」へと移行しました。こうして、国立大学法人には今まで以上に高い自律性とより厳しい結果責任が求められることになりました。このことを踏まえて、本学では、第四期中期目標を着実に達成する目的で「信州大学改革実行プランinGEAR」を策定しました。これは、現執行部体制を構成する7名の理事と9名の副学長がそれぞれの担当する目標とそれを実現するためのMethod(手段)を示した、具体的な行動計画です。inGEARとは、“inGenious、Enterprising and Actionable Regional revitalization(独創的、進取的かつ能動的な地方創生)”を原型とした造語です。inGEARの理念のもと、中期目標の達成を目指すとともに、地域と大学を連続的に一体化し、人や地域社会との繋がり、ステークホルダー?エンゲージメントを強め、信州大学のブランディングをさらにゆるぎないものにしていく所存です。
そのような中で、昨年、本学では次の6つの公的な競争的資金による事業が採択されました。
① 「看護ケアプロセスにおけるフィジカルアセスメント力UPを実践するウィズコロナ時代の人材養成(大学改革推進等補助金、ウィズコロナ時代の新たな医療に対応できる医療人材養成事業、文部科学省)」
② 「革新的膜モジュール?吸着材を用いた水浄化システムの海外展開?現地定着普及に向けた継続的実証(COIプログラム令和4年度加速支援、JST)」
③ 「未来を描こう、理系女子(令和4年度女子中高生の理系進路選択支援プログラム、JST)」
④ 「「しあわせ信州」を創造する地域活性化高度人材育成プログラム(地域活性化人材育成事業~SPARC~、文部科学省)」
⑤ 「Agri-transformation(農x)を実現する信州農x実践フィールド(地域中核大学イノベーション創出環境強化事業、内閣府)」
⑥ 「大学総合司令塔:信州大学アドミニストレーション本部の形成と新人材「UA、UEA、IRer、ccURA」、教育重点型教員及び188bet体育_188bet备用网址重点型教員の先駆的活用による、地方創生と大学経営改革の推進(国立大学経営改革促進事業、文部科学省)」
これらの事業に大学をあげて取り組むことにより、本学の教育?188bet体育_188bet备用网址?社会貢献機能を高度化させてまいります。これらに加えて、今年は、“準トップ大学”への道筋をより確固たるものにすべく、「共創の場形成支援~知と人材が集積するイノベーション?エコシステム~」、「共同利用?共同188bet体育_188bet备用网址システム形成事業~全国の国公私立大学のポテンシャルを引き出す共同188bet体育_188bet备用网址システムの構築(総合知による社会変革)~」、「世界トップレベル188bet体育_188bet备用网址拠点プログラム(WPI)」、「地域中核?特色ある188bet体育_188bet备用网址大学強化促進事業」などの大型外部資金の獲得に向けて、全力を傾注します。関係部局はもとより、ステークホルダーの皆さま方からのご支援、ご協力、何卒よろしくお願い申し上げます。
さて、信州大学をとりまく状況ですが、長野県の次期総合5か年計画(令和5~令和9年度)について少し紹介したいと思います。令和4年11月18日、長野県総合計画審議会(中村宗一郎会長)から阿部守一知事に対して「次期総合5か年計画の策定について」の答申がなされましたが、これは、知事から「2035年を展望する中?長期的な視点に立った今後5年間における長野県づくりの指針となる基本的な考え方」を提示するよう諮問されたことを受けてのものとなります。基本目標は「確かな暮らしを守り、信州からゆたかな社会を創る」となっています。信州大学改革実行プランinGEARの考え方を長野県と共有し、この地域をゆたかに、そして元気にしていきたいと心に強く感じているところです。
末尾に、信州大学の前身である旧制松本高等学校の卒業生である北杜夫の父斎藤茂吉の正月の歌を紹介して、皆さまの本年のご健康と益々のご発展をお祈り申し上げます。
あたらしき 年のはじめは 楽しかり わがたましいを 養ひゆかむ