成實俊介さんがセラミックス協会第36回秋季シンポジウムにおいてベストプレゼンテーション賞を受賞
令和5年9月6日、京都工芸繊維大学で開催された「セラミックス協会 第36回秋季シンポジウム」において、大学院総合理工学188bet体育_188bet备用网址科 工学専攻の成實俊介さん(修士課程1年)がベストプレゼンテーション賞を受賞しました。
ハイエントロピー酸化物は、新しいタイプの無機材料として、2020年あたりから注目を集めはじめています。私たちの188bet体育_188bet备用网址グループでは、世界にさきがけて、リチウムイオン電池やナトリウムイオン電池の電極活物質のハイエントロピー化に着手してきました。これまでに、多用な構成原子間の非線形相互作用により、単純固溶則では実現できない、電気的、力学的、化学的、電気化学的機能が発現することを明らかにしてきました。多元素化にともなう副格子の乱雑性の導入を新機軸とする材料開発は、これまでの電池材料開発に大きな変化をもたらす可能性があります。
充放電反応機構は活物質の電池特性を特徴づけます。大きく分けると、反応機構は二相共存反応および固溶体反応に分類されます。充放電反応における二相共存領域および固溶体反応領域を自在制御することは、電極活物質の性能設計の新しい戦略になると言えます。
本188bet体育_188bet备用网址では、充放電反応機構の自在制御を主眼においた、ハイエントロピーを新機軸とする活物質材料探索を目的としています。スピネル型ニッケルマンガン酸リチウムをモデル化合物として、Mnサイトに複数の金属元素を置換したLiNi0.5Mn1.4M0.1O4関連化合物を合成し、充放電反応機構及び電池特性に多元素置換効果について詳細に調査した結果を報告しました。ハイエントロピー効果によって、Li1-x中間組成が安定化されることを世界で初めて明らかにしました。
本成果はJST-CREST「固液電気化学相界面の多階層構造制御」(JPMJCR21B)の助成を受けたものです。
受賞演題は以下の通りです。
「ニッケルマンガン酸リチウムの充放電反応機構に与える多元素置換効果」
成實俊介?永峰政幸?是津信行