高山潤也准教授、尾原雄輝さん、孫維さんの論文が2024年度計測自動制御学会論文賞?蓮沼賞を受賞
高山潤也准教授(工学部機械システム工学科)、尾原雄輝さん(2021年3月学士課程修了)、孫維さん(2020年3月修士課程修了)の執筆した論文が2024年度計測自動制御学会論文賞?蓮沼賞を受賞し、2024年8月27日(火)~30日(金)に高知工科大学で開催されたSICE Festival 2024 with Annual Conferenceのセレモニーにおいて表彰されました。
本賞は、過去2年間に計測自動制御学会の論文誌および英文論文誌に掲載された論文が対象であり、本年度は対象論文約190編から6編が受賞し、そのうちの1件として選出されました。
受賞論文題目は「Nondestructive evaluation of Air Voids in Concrete Structures using Microwave Radar Technique」で、コンクリート構造物の非破壊探査技術に関する188bet体育_188bet备用网址成果をまとめたものになります。
論文概要: コンクリート構造物の安全性診断では,内部状態を非破壊検査する技術が不可欠である。それら検査における重要な課題のひとつが、ひび割れなどのわずかな隙間に対する検出性能であり、本論文ではマイクロ波レーダ技術を応用した空隙の判別とその定量的な厚み推定法について提案している。はじめに単純な平行入射モデルを利用してマイクロ波伝播をモデル化し、マイクロ波の反射係数と空隙厚みの関係を計算により求めた。検証の結果、反射波の位相シフト量に着目した空隙と他物体の識別においては良好な結果が得られた一方、反射率に着目した空隙の定量的な厚み推定には課題を残した。そこで新たに細密なマイクロ波伝播モデル、すなわちレイトレーシングに基づいた媒質境界面での屈折?反射,および伝播減衰特性を考慮した伝播モデルを考案した。さらに空隙上下面からのマイクロ波反射波の経路差に着目し、伝播モデルで導出できる両反射波の合成波から反射係数を算出して、空隙の定量的な厚み推定へ応用する方法を提案した。実験的な検証の結果、およそ54%の厚み推定精度の向上を果たし、マイクロ波レーダ技術による本空隙推定法の妥当性を示した。
論文情報
題目: Nondestructive evaluation of Air Voids in Concrete Structures using Microwave Radar Technique
著者: Jun-ya Takayama, Yuki Ohara and Wei Sun
掲載誌:SICE Journal of Control, Measurement, and System Integration, Volume 15, No.1, pp.36-47