常圧で多量のメタンを貯蔵できるグラフェンバルブカーボンの開発:軽い天然ガス用カートリッジ製造への道を拓く
【188bet体育_188bet备用网址成果のポイント?概要】
メタンを主成分とする天然ガスは-162oCで液体としてLNGタンカーで日本に輸入され、産業用だけでなく日々の生活で使われています。主成分のメタンは水素に次ぐクリーンエネルギーのため、その需要は一層高まっており、安全で効率的な貯蔵?輸送技術の開発が強く求められています。また、これからは二酸化炭素と水素を反応させてメタンを合成する方向で世界は動いており、省エネルギーかつ簡便で取り扱いやすいメタンの貯蔵?輸送法が求められています。しかし、クリーンエネルギーであるメタンの貯蔵?運搬は必ずしもカーボンニュートラルを十分に高める状況にはありません。このような課題を解決するために、固体中のナノスケールの細孔のメタンに対する求引力を利用して、高密度のメタンを貯蔵するAdsorption Natural Gas (ANG)法の開発188bet体育_188bet备用网址が盛んになされています。ただし、ANG法はまだまだ課題が多い状況です。
ANG法の課題を抜本的に解決できる方法が、信州大学アクア?リジェネレーション機構の金子克美特別特任教授、王書文博士188bet体育_188bet备用网址員、田中秀樹教授らを中心とする信州大学、長崎大学、千葉大学、アリカンテ大学、Morgan Advanced Materialsの188bet体育_188bet备用网址グループによって提案されました。メタン分子を求引する力のあるナノスケール細孔を多量に含んでいるカーボンの細孔入り口を、グラフェンという層状構造体で覆い、高密度メタンを細孔内にシールする方法です。カーボンを覆っているグラフェンは温度を上昇させると激しく動くようになり、細孔を塞ぐことができなくなります。グラフェンのこの性質を利用して、カーボンの細孔空間に高密度メタンを閉じ込めたり、閉じ込められたメタンを放出したりします。つまり、カーボンを覆っているグラフェンは温度を変えることで、カーボンの細孔空間を開閉できます。細孔空間を開閉できるので、コートしたグラフェンをグラフェンバルブと名付けています。このグラフェンバルブを用いると、大気圧下でカーボンの細孔内に高圧メタン、つまり高密度のメタンを蓄えることができます。利用する時は200oCに温度を上げると、メタンが放出されます。図1に高圧ボンベの機能を持つ軽くて小さなカーボンのモデルを示します。小さなカーボン粒子が高密度メタンを含んでいるので、高圧ボンベでは不可能な省エネルギー?省スペースの貯蔵?輸送技術へと展開できます。