人工衛星用の実験に協力しました(2018.3.26)
【 レポート 】



数年前,信州大学でも打ち上げを行った人工衛星(ShindaiSat)でも当時の田代研学生主体でご協力した技術提供のお話です。本日は,ShindaiSatのご縁でお声がけいただいた帝京大学のグループの人工衛星用磁気トルカの性能評価実験でご協力しました。田代研が得意とする磁気シールド技術の1つとして,人工衛星用のモータの残留磁気モーメント計測用に製作したSimpleCubic3コイルシステム(SC3)があります。最近では環境磁界発電がメインのため,50 Hz等の交流磁界発生用に使っていますが,もともとは宇宙磁場環境を模擬するための零磁界空間提供用に使っていました。地球上では全磁力で最大50,000 nT程度(50 uT)程度の地磁気が存在します。一方,宇宙空間では重力がほとんど無いだけでなく,こうした地磁気(直流磁界)もほとんどありません。地球上では全く気にならない磁性体の残留磁気(あるいは姿勢を制御するための磁気トルカ)も,宇宙空間では人工衛星に回転力(トルク)を生み出します。久しぶりに実験したのですが,地磁気の1000分の一程度の空間は「それなり」に実現できていました。