「ぎんれい」プロジェクトとは

中島・酒匂研究室は信州大学大学院理工学系研究科電気電子工学専攻モバイル制御講座に所属する
研究室としてスタートしました。モバイル制御講座は、多摩川精機(株)並びに萩本博幸会長のご寄付により、
平成20年4月に設置されました。信州大学工学部では初めての寄付講座です(平成25年3月迄)。航空機・
衛星・自動車・鉄道車両、宇宙機等の移動体をモバイル(Transfer Mobile)と称し、日々進化するこれらの
移動体を支える重要な制御システムに着目し、これらの機器・制御に関する研究開発を実施すると共に、
技術の習得を通じて優秀な 人材を育成することを目的としています。当研究室では特に宇宙機に関連した
研究を行っており、信州大学発の人工衛星の実現を目指しています。
中島・酒匂研究室は平成25年4月1日より「ぎんれい」プロジェクトチームとなりました。
モバイル制御講座概要
モバイル制御講座概要

多摩川精機(株)萩本博幸会長の提唱する
人間を中心としてのMobile全体体系
モバイル制御講座キャンパス
モバイル制御講座キャンパス

これまでの経緯
モバイル制御特論(1/2)
モバイル制御特論(2/2)

信州産人工衛星の実現を目指して

2009年〜2011年、地球観測衛星「ASNARO」搭載用ジンバル装置の開発を多摩川精機(株)と
当研究室が受託しました。その中で、当研究室では熱設計・解析を担当し衛星搭載機器の開発技術を
取得しました。
 また、「ASNARO」のジンバル装置の開発で得た衛星搭載機器の開発技術、知識をもとに森林観測と
LED可視光通信をミッションとする50cm級超小型人工衛星「こもれび」を設計し、第18回衛星設計コンテスト
設計部門にて電子情報通信学会賞を受賞しました。さらに、宇宙航空研究開発機構(JAXA)による国際宇宙
ステーションの日本の実験棟「きぼう」からの世界初の人工衛星放出ミッションに、2∪(10cm×10cm×20cm)
サイズの衛星・地上間のLED可視光通信実験(ダウンリンクのみ)をミッションとする人工衛星を提案しましたが、
残念ながら不採択となりました。
 そして、2011年に行われた、JAXAによる平成25年度打ち上げ予定のHU−Aロケットの相乗り副衛星の
募集に対し、衛星・地上間の双方向LED可視光通信実験をミッションとする30cm級小型人工衛星を提案し、
採択されました。現在は40cm級の人工衛星として鋭意開発を行なっています。


教官紹介

中島 厚 (なかじま あつし)
信州大学 特任教授

兼担研究科・学部独立行政法人 宇宙航空研究開発機構(JAXA)招聘職員(平成23年12月31日まで)
研究分野宇宙工学
キーワード:人工衛星、制御システム、メカトロニクス
現在の研究課題モバイル制御機器・システムの研究開発
人工衛星制御技術及び制御機器の研究開発
スペースデブリ(宇宙ごみ)の観測、防御、除去システムの研究開発
所属学会日本航空宇宙学会、日本電気学会、日本機械学会、日本ロケット協会
学歴1970年 信州大学工学部電気工学科卒業
1972年 信州大学工学研究科電気工学専攻終了
取得学位博士(工学) 京都大学
受賞学術賞1989年 日本機械学会論文賞
1993年 科学技術庁研究功労賞
2010年 日本航空宇宙学会技術賞

更に詳細な情報はこちらをご覧ください。(信州大学学術情報オンラインシステム SOARにリンクします)


酒匂 信匡(さこう のぶただ)


橋本 英一(はしもと ひでかず)
産学官連携推進本部コーディネータ