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近世日本山岳関係データベースを公開しました

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信州大学附属図書館ではこのたび「近世日本山岳関係データベース」を公開しました。
近世日本山岳関係データベース http://moaej.shinshu-u.ac.jp/

このデータベースは,信州大学が所属する山岳関係資料の一大コレクションである「小谷コレクション」内の,近世(主に江戸期)に出版された和古書585冊、古地図等68点の全文を電子化したものです。

特徴
  • キーワードや時代区分,分野から検索することができます。
  • 全文画像の拡大縮小やスクロールがスムーズなので,一部分を拡大して見たり,地図全体を見渡したりが簡単に行えます。

公開にあたっての附属図書館長からのご挨拶もお読みください。

近世日本山岳関係データベースは楽しい

信州大学附属図書館長?笹本正治

 信州大学附属図書館が誇る所蔵品に山関係の本のコレクション、小谷コレクションがあります。山に関係するコレクションとしては、おそらく日本一の内容をもっています。

 その小谷コレクションの和本や地図など、明治以前に作成されたものをウェブ公開いたしました。それが近世日本山岳関係データベースです。見ていただければおわかりいただけますように、実に鮮明な映像で、実物より遙かに拡大して見ることが可能になり、文字も絵もしっかり読み解くことができます。

 使い方は様々です。先頃大きな地震被害を受けた長野県下水内郡栄村はかつて秋山郷と言われました。ここを鈴木牧之が訪れた際の紀行文『秋山紀行』は江戸時代の山村生活を知る上で極めて貴重な文献です。ものは試しで、この名前を検索に入れてみてください。すると『上越 秋山紀行』として検索され、下にこの本が文政12(1829)にできたとか、この本が写しであるかといった情報が出てきます。できたら全文画面をクリックしてください。あっという間に全体の画面が出てきます。読みたい部分、見たい部分を拡大してください。実物よりも遙かに大きな文字になり、目の悪い私も簡単に読むことができるようになりました。188bet体育_188bet备用网址者なら文面を解読したいでしょうが、読めない方は絵だけで結構です。彩色で当時の風景、人々の営みが見えてきます。私たちの日常生活が、いかに当時と離れたものになっているか気がつきます。画面でタイムトリップが楽しめます。

 また、多くの地図も掲載されています。本物ではなかなか読み切れない文字も、拡大して自由に読むことができます。江戸時代の信州の地図を読むだけでも楽しいですよ。

 このウェブ化によって、皆さんが触れることの少なかった貴重な本や地図を、自宅からいつでも接触できるようになりました。既に活字化されているものも、本当にその読みが正しいかどうかを、映像を見ながら確認することができます。接しにくかった本に容易に188bet体育_188bet备用网址できます。188bet体育_188bet备用网址者の皆さんにとっては、宝の山に簡単に分け入ることができるようになったわけで、山の188bet体育_188bet备用网址の進展が期待されます。

 専門家でなくても、ゆっくり絵図や本の中の絵を見るだけで、とても豊かな時間が過ごせます。私たちがどのような時代に生きているか。何を得て、何を失っているか、ちょっと歩みを止めて考えてみませんか。

 信州大学附属図書館としては、私たちの宝物を日本全体、世界全体と共有できればと思います。その一方で、大事な本についてはしっかり管理していく必要があります。ウェブで閲覧していただくことは、保管のための手段でもあります。また、小谷コレクションにかかわらず、引き続き山関係の書籍を集めるとともに、その公開に努力していきたいと思います。皆様のご支援、ご協力、ご指導をお願いいたします。

※本データベースは、平成22年度独立行政法人日本学術振興会科学188bet体育_188bet备用网址費補助金(188bet体育_188bet备用网址成果公開促進費〈データベース>(課題番号:218039)の助成を受けて作成しています。