医学部保健学科理学療法学専攻 小宅 一彰 准教授が「令和6年度松医会奨励賞」を受賞しました。

 小宅一彰准教授の論文が、「令和6年度松医会奨励賞」を受賞し、去る令和7年5月17日(土)に開催された松医会(会員)総会?評議員会にて表彰式が行われました。
 受賞論文は、2023年にCommunications Medicine誌(IF = 5.4)に掲載された「A multicenter explanatory survey of patients' and clinicians' perceptions of motivational factors in rehabilitation」です。
 松医会奨励賞は、信州大学医学部?附属病院および大学院に所属する松医会員以外の188bet体育_188bet备用网址者が筆頭著者となって発表した、医学の進歩に貢献する優れた論文に贈られます。
 リハビリテーションの効果を最大化するためには、治療に対する患者の意欲向上が極めて重要であると考えられています。リハビリテーションにおける「患者中心の医療」を実践するためには、患者の意欲を高める要因について、患者と医療者の認識の違いを理解する必要があります。そこで本188bet体育_188bet备用网址では、リハビリテーションにおける患者の動機づけ要因について、患者と医療者双方の認識を比較しました。全国13か所の回復期病棟において、患者479名(回答率92.1%)と医療者401名(回答率62.2%)を対象とした大規模なアンケート調査を行いました。その結果、「回復の実感」、「目標設定」、「患者の経験や生活に関連した練習」の3つが、患者と医療者の双方から重要と認識される中核的な動機づけ要因であることを明らかにしました。一方で、「医学的情報の提供」や「課題の難易度調整」は、医療者よりも患者の方が重要視していることを見出しました。さらに、患者が重要と考える動機づけ要因は、年齢や入院期間の違いによって異なることを示しました。これらの知見は、リハビリテーションにおける動機づけ方略を考える際に、医療者は中核的な動機づけ要因に加えて、患者背景や個々の患者の好みも考慮すべきであることを示唆しています。
 本188bet体育_188bet备用网址の成果は、リハビリテーション医療の質向上のための実践的な指針として臨床現場で広く活用されることが期待されます。

 一般社団法人信州大学医学部松医会の詳細は、松医会ホームページ(別ウィンドウで開きます。)をご参照ください。

  • 松医会(会員)総会?評議員会については、松医会ホームぺージ掲載のご案内をご参照ください。
掲載論文情報

著者名: Oyake K, Yamauchi K, Inoue S, Sue K, Ota H, Ikuta J, Ema T, Ochiai T, Hasui M, Hirata Y, Hida A, Yamamoto K, Kawai Y, Shiba K, Atsumi A, Nagafusa T, Tanaka S.
論文名: A multicenter explanatory survey of patients' and clinicians' perceptions of motivational factors in rehabilitation.
掲載されたジャーナル: Communications Medicine
論文掲載URL: doi: 10.1038/s43856-023-00308-7

202505_rigaku_hyosho1.png

図.患者の意欲を高める動機づけ要因に関する(A)患者群と(B)医療者群の回答の分布
   動機づけ要因は、選択した対象者の割合が大きい順に並べています。縦の点線は対象者の5%を示しています。

202505_rigaku_hyosho2.jpg 202505_rigaku_hyosho3.png
写真左.小宅 一彰准教授(左から2番目)  写真右.賞状