抗転移薬の開発―短鎖合成 RNA は新しいタイプのがん転移抑制剤となりうる
平塚佐千枝教授(先鋭領域融合188bet体育_188bet备用网址群バイオメディカル188bet体育_188bet备用网址所/医学部分子医化学教室)と、岐阜大学応用生物科学部 上野義仁教授らの188bet体育_188bet备用网址グループは、細胞外に存在するメッセンジャーRNA (mRNA)のうち、特別な配列をもつものは、免疫細胞の表面の受容体に結合することにより、そのがん転移抑制能を向上させることを見出していました。しかしながら、天然の mRNA は体内ではすぐに分解されてしまうという欠点がありました。そこで、活性化に必要な短い配列を同定するとともに、安定化修飾を施した mRNA を新たに合成し、マウス個体に投与したところ、がん細胞の肺転移を抑制することができました。この実験では合成 mRNA を複数回投与してもサイトカインストームなどの副作用や免疫細胞の疲弊が見られないという利点があることがわかりました。さらに、がん患者からナチュラルキラー(NK)細胞や細胞傷害性 T 細胞(CTL)を単離し、合成修飾 mRNAを用いて活性化すると、これらの細胞は活性化前よりもより多くのヒトのがん細胞を殺傷することが確認できました。
なお、この188bet体育_188bet备用网址の詳細は、2025 年 2 月 25 日 19:00(日本時間)にシュプリンガー?ネイチャー社の学術誌 Nature Communications にオンライン掲載されました。
■ 論文情報 ■
題目:Synthetic short mRNA prevents metastasis via innate-adaptive immunity
著者:Hikaru Hayashi, Sayaka Seki, Takeshi Tomita, Masayoshi Kato, Norihiro Ashihara,Tokuhiro Chano, Hideki Sanjo, Miwa Kawade, Chenhui Yan, Hiroki Sakai, Hidenori Tomida, Miyuki Tanaka, Mai Iwaya, Shinsuke Taki, Yozo Nakazawa, Yuji Soejima,Yoshihito Ueno, and Sachie Hiratsuka
掲載誌:Nature Communications
DOI:10.1038/s41467-025-57123-y
https://www.nature.com/articles/s41467-025-57123-y