中部圏域における知の共創を加速するプラットフォームC?-FRONTS 始動!特別レポート

地域中核?特色ある188bet体育_188bet备用网址大学強化促進事業(J-PEAKS) 中部圏から全国へ!水技術を活用したまちづくりシンポジウム

東海?信州 国立大学連携プラットフォーム (C?-FRONTS)

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(写真左から)
三重大学 伊藤正明学長/豊橋技術科学大学 若原昭浩理事/名古屋工業大学 小畑誠学長/愛知教育大学 野田敦敬学長/東海国立大学機構 松尾清一機構長/名古屋大学 杉山直総長/岐阜大学 吉田和弘学長/浜松医科大学 今野弘之学長/静岡大学 日詰一幸学長/信州大学 中村宗一郎学長

2024年1月、東海地域の国立大学?機構(静岡大学、浜松医科大学、東海国立大学機構(岐阜大学、名古屋大学)、愛知教育大学、名古屋工業大学、豊橋技術科学大学、三重大学)は、各々のリソースを有効活用し、東海地域全体の持続的な発展に貢献しつつ、大学群としての国際競争力を高めることができるよう、様々な課題や社会からの要請に柔軟に対応できるプラットフォームとして、「東海地域?国立大学連携プラットフォーム(C-FRONT)」を設置しました。

信州大学は、圏域を越えた広域連携による新しい価値創出に向けた経営ビジョンとして、VGSU(Vision for Greater Shinshu University)構想を掲げており、地域貢献を視野に入れながらも、広く世界に目を向け、未来へとつながる教育188bet体育_188bet备用网址を推進、その成果を地域に還元し、地域と共に発展するエコシステム構築を目指しています。

本VGSU構想とC-FRONTの設立趣旨は、親和性が高いため、同年5月、本学も本プラットフォームへ参画することとしました。これにより、圏域をさらに広げた高度連携による社会的イノベーション創出を加速度的に推進していきます。なお、本学の参画を契機に、東海?信州 国立大学連携プラットフォーム(C?-FRONTS)として、新しく生まれ変わりました。

今回はこのC?-FRONTS発足の第一弾として、中部圏域から全国発信する、水技術を活用したまちづくりシンポジウム(in名古屋)の様子をお伝えします。

????? 信州大学広報誌「信大NOW」第149号(2025.1.31発行)より

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信州大学加盟を協議した2024年5月29日開催のC-FRONT第2回学長懇談会の様子

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共催者挨拶、来賓挨拶

シンポジウムでは、まず東海国立大学機構の松尾清一 機構長が開会の挨拶を行いました。松尾機構長は、信州大学が水188bet体育_188bet备用网址で国内トップレベルの成果を挙げ、2023年にJ-PEAKS(地域中核?特色ある188bet体育_188bet备用网址大学強化促進事業)に採択されていることを説明。水188bet体育_188bet备用网址の成果を社会に実装してまちづくりに活かす重要性を強調し、本シンポジウムが、参加者にとって有意義なものになることを願いました。次に、信州大学の清水聖幸 理事(188bet体育_188bet备用网址、産学官?社会連携担当)が挨拶。「シンポジウムが東海地域の水技術への関心を高め、産学官で188bet体育_188bet备用网址連携を進めるなどの成果につながれば」と話しました。また、清水理事は信州大学が水技術の188bet体育_188bet备用网址を中心とした「アクア?リジェネレーション(ARG)機構」を設立し、アクア?リジェネレーション共創188bet体育_188bet备用网址センター(仮)の建設や設備投資を進めていることを報告。さらに、国際的な水問題解決のための大学院設置を計画しており、その188bet体育_188bet备用网址成果を実証タウンで実証していきたいと述べました。

来賓挨拶では、中部経済連合会の水野明久 会長が登壇。社会課題が複雑化するなかで、その解決には産学官が広域で連携することが不可欠であり、この点で「C?-FRONTSに大いに期待している」と述べました。また、今回のシンポジウムのテーマである水188bet体育_188bet备用网址について、世界的に重要な技術であり信州大学が国内トップレベルの188bet体育_188bet备用网址を行っていることを説明。そして、特に、防災?減災や、被災後のまちづくりに水技術が活用できる可能性に期待感を示し、経済界も協力していきたいと述べました。

最後に、文部科学省 拠点形成?地域振興室の平野博紀 室長が挨拶。課題となっている日本の188bet体育_188bet备用网址力低下には、「大学間の連携による強みと特色を活かしたネットワークの構築が必要」と強調した上で、東海地域全体の発展に寄与し、188bet体育_188bet备用网址大学群として国際競争力を高めるC?-FRONTSの活動を高く評価。今回のシンポジウムを通じ、大学間連携や産業界?自治体の水188bet体育_188bet备用网址への関心が高まり、イノベーション創出に繋がることを期待するとし、文部科学省としても支援し続けていきたいと話しました。

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【基調講演】 ECO?‐FRONTS「環境」×「経済」の先進地を目指して

佐藤 健 氏 飯田市長/南信州広域連合長

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佐藤 健 氏 飯田市長/南信州広域連合長

信州大学が飯田市を実証タウンとして水188bet体育_188bet备用网址を行っていただくことが決まりましたので、今日はそのことを踏まえて、これから飯田市が取り組もうとしている「ECO?‐FRONTS」のまちづくりについてお話しさせていただこうと思います。具体的には、環境(エコロジー)を種に、経済(エコノミー)の活性化を目指したものです。

飯田市は長野県の最南端に位置し、温暖な気候と日照時間の長さが特徴です。また、台風や地震などの自然災害が少なく、自然エネルギーの活用に適した環境に恵まれています。このような地理的条件も背景に1996年に「環境文化都市」を掲げ、市民の環境意識を高める活動を開始しました。2008年には環境モデル都市、2022年には環境省の脱炭素先行地域に選定されるなど、全国的にも注目される環境政策を展開しています。

飯田市の環境関連の取り組みの一つとして、信州大学と連携した水素エネルギーの188bet体育_188bet备用网址があります。太陽光を活用し、グリーン水素を製造する新しい光触媒技術を社会実装する実証188bet体育_188bet备用网址を行います。この技術は、太陽光と水を利用して水素を生成するもので、地域に適した規模のプラントを構築できます。これにより、輸送コストの削減と地産地消モデルの実現が期待されています。さらに、未利用農地を活用してバイオエタノールを生産し、それを基にしたバイオプロパンガスの製造にも取り組む予定です。地域の家庭用エネルギーとして利用し、循環型経済を支える基盤とする計画です。これらの取り組みは、地域内で完結するエネルギー循環の実現に寄与し、環境負荷を低減しながら経済活性化を目指すものです。また、飯田市にはリニア中央新幹線の駅が設置される予定であり、これを契機に地域の交通網や産業構造の変革を目指しています。リニア駅周辺では、水素を活用したバスなどの二次交通を整備し、地域の利便性と「環境」を両立させる計画が進行中です。加えて、リニア駅周辺の様々な施設で信州大学の水循環技術を用いることで、限られた水資源を効率的に利用する仕組みを構築し、持続可能な地域づくりを進めていこうと考えています。

飯田市は様々な気候上のメリットもありますし、将来はリニアも通る予定です。そして何より信州大学の水188bet体育_188bet备用网址の実証タウンとしてこれから取り組みを進めていきますので、環境関連の取り組みで経済を活性化する飯田市にぜひ興味を持っていただき、ぜひ皆さまと一緒に日本一住みたい中部圏の中核都市を作っていければと思っております。

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【招待講演】 エア?ウォーターの地産地消?資源循環の取り組み

江口 明日美 氏 エア?ウォーター(株) エネルギーソリューショングループ 地球の恵みファーム グループリーダー

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江口 明日美 氏 エア?ウォーター(株)
エネルギーソリューショングループ 地球の恵みファーム グループリーダー

本日はエア?ウォーターの「地産地消?資源循環」に関する取り組みについてお話しさせていただきます。弊社は地球の恵みを「なくてはならないもの」に進化させて社会に安定供給することを目指し、産業ガス、エネルギー、医療、防災、農業、食品、物流など多岐にわたる分野で事業を展開しています。長野県には36カ所の拠点があり、大町市では「北アルプスの天然水」の製造?販売を行い、松本市では188bet体育_188bet备用网址所や産業ガスのプラント、福祉施設、公共の宿泊施設「梓水苑」を運営しています。また、安曇野市では地域の木材を活用した木質バイオマス発電施設「安曇野バイオマスエネルギーセンター」を設置し、隣接するトマトハウスとあわせてトリジェネレーション事業※を進めています。

さらに、グループ会社で飲料メーカーのゴールドパック株式会社では地下水を守る森林保全活動を行い、この取り組みが評価され国の水循環認証を取得しています。

現在、信州大学との連携も検討しながら、2025年完成を目指して、松本市にエネルギーと資源循環のモデル施設「地球の恵みファーム?松本」を建設中です。ここでは、4つの施設を同一敷地内に設置する予定です。1つめは、バイオマスガス化施設で、剪定枝やおがくずといった未利用バイオマスを活用して、電気や熱、CO?等を生産し利活用します。2つめはメタン発酵施設で、食品廃棄物をメタン発酵し、発生させたバイオガスは発電、消化液は肥料として利用します。3つめはスマート農業ハウスで、施設で発生する熱や二酸化炭素を栽培に利用します。そして4つめは陸上養殖施設で、地下水を活用したサーモンの養殖を行います。

「地球の恵みファーム?松本」では、これらの施設間で資源を循環させることで、地域の未利用資源を活用し、持続可能な循環モデルの実現を目指しています。具体的には、例えば、メタン発酵の消化液を肥料として農作物の栽培に活用します。また、陸上養殖の海水を含む排水を用いて植物を育てるアクアポニックスの実証や、施設内で出てくる廃液を、再利用できるくらいキレイに浄化する技術も合わせて実証していこうと考えています。

エア?ウォーターは、地域資源に応じたエネルギー変換技術を駆使し、地域に必要な電力や燃料を供給する取り組みをこれからも進めていきます。自治体や大学などとの連携を通じて、地域資源を最大限活用するモデルを構築し、地域活性化を目指していければと考えています。

※熱源から生産される熱、電気に加え、発生するCO?も有効活用するエネルギー供給システム

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【講演】名古屋大学のAI?マテリアル開発支援

齋藤 永宏 氏 名古屋大学  未来社会創造機構 マテリアルイノベーション188bet体育_188bet备用网址所 教授

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齋藤 永宏 氏 名古屋大学 
未来社会創造機構 マテリアルイノベーション188bet体育_188bet备用网址所 教授

私たちの188bet体育_188bet备用网址室では「C1化学」を中心に、水電解や燃料電池、AIや機械学習を活用した材料開発に取り組んでいます。C1化学はCO?やCH?メタン)といった炭素(C)数が1の化合物を扱う分野です。1970年代のオイルショック時代に盛んに188bet体育_188bet备用网址されましたが、現在、CO?削減や資源循環の観点から再び注目されています。C1化学の対象であるCO?の削減と、本日のシンポジウムのテーマである水188bet体育_188bet备用网址は、実は密接に関わっています。ただ、水は様々な物質を取り込みやすいという特性があり、それ故に性質が多種多様です。それらをひとつひとつターゲットにして188bet体育_188bet备用网址するというのは、非常に手間と時間が掛かることなどから、水は難しい188bet体育_188bet备用网址分野と言われてきました。しかし、多種多様な水を横断的に解析できるプラットフォームを構築すれば、188bet体育_188bet备用网址の時間短縮と進展の加速を図ることができます。

今日、私がお話ししたいのは、そのためにAIおよびMI※(マテリアルズ?インフォマティクス)を活用するということです。まさに私たちの188bet体育_188bet备用网址室が取り組んでおり、機械学習を利用して吸着材料や構造の最適化を行い、材料の開発プロセスの効率化を目指しています。これにより、例えば従来は10年以上かかっていた材料開発の時間を数年に短縮するといったことが期待できます。ちなみに、この後に登壇される、信州大学アクア?リジェネレーション機構の手嶋機構長の188bet体育_188bet备用网址室にも技術の提供を行っています。

私たちの188bet体育_188bet备用网址では、材料のデータベースを構築し、そのデータを機械学習で解析しています。このデータベースには、材料の構造や特性、生産コストなどの情報が含まれており、逆解析を用いて特定の性能を持つ材料を設計することができます。この方法により、新しい材料の特性を予測し、実際に開発を進めるための指針を得ることが可能です。

水の188bet体育_188bet备用网址とAI?MIとの相性は非常に良いと思います。水には多様な利活用方法があります。そのため、それらに横串を刺して横断的に展開する技術基盤としてAI?MIが有効です。この技術を用いることで、開発時間や応用時間を短縮し、社会実装を早めることが期待されます。今後もAI?MIプラットフォームを活用し、効率的でインパクトのある技術開発を進めていきたいと考えています。

※機械学習などの情報科学(インフォマティクス)を用いて、有機材料、無機材料、金属材料など様々な材料開発の効率を高める取組

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水からグリーン水素を製造する光触媒の開発

久富 隆史 信州大学 アクア?リジェネレーション機構 教授

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久富 隆史 信州大学 アクア?リジェネレーション機構 教授

再生可能エネルギーの重要性が高まる中、水素は貯蔵可能なエネルギーキャリアとして注目を集めています。また、水素は化学工業における重要な原料であり、プラスチックやアンモニアといった多様な製品を合成する基盤となっています。

水素の製造において、光触媒を利用した水の分解反応が注目されています。この反応は太陽エネルギーを利用して水から水素を生成するもので、「人工光合成」の基盤技術と位置づけられています。この分野は世界中で188bet体育_188bet备用网址が活発化しており、我々の188bet体育_188bet备用网址ユニットでもグリーン水素製造を目指して、高性能な光触媒材料やシステムの開発に取り組んでいます。

光触媒材料については、チタン酸ストロンチウムが注目に値します。この材料は1980年に水分解反応が実証されましたが、活性は低いものでした。しかし、近年の188bet体育_188bet备用网址によって量子収率は90%を超え、紫外光応答光触媒としては理想的なレベルまで性能が向上しました。

一方で、高効率な光触媒材料ができても、技術の社会実装に向けて、生成物から水素を回収する方法や、光触媒の粉末を大面積に展開する方法なども188bet体育_188bet备用网址する必要があります。我々の188bet体育_188bet备用网址ユニットでは、光触媒の粉末をパネル化して、それを大面積に展開するアプローチを188bet体育_188bet备用网址しています。これまでに、光触媒粉末を固定した25㎝角のパネルを1600枚並べ、100㎡の受光面積をもつ大規模なシステムの開発を行っています。さらに我々は、飯田市の協力のもと約5000㎡の用地を利用して、より大規模な光触媒を用いた水素製造システムの実証事業を進める計画です。

ただし、技術の社会実装にはいくつかの課題もあります。まず、光触媒の太陽エネルギー変換効率はまだ十分とは言えず、5%以上に向上させることが必要で、可視光応答性光触媒の高効率化に取り組んでいます。また、グリーン水素を安価に供給できるようにするには、反応器のコストの削減も課題と言えます。

信州大学は光触媒を用いた水分解反応の分野で最先端の技術を有しており、この数年間で大きな進展を成し遂げました。実用化にはまだ多くの課題が残されていますが、地域実証タウンを通じてこれらの課題の解決に向けて取り組みながら、持続可能なエネルギーシステムの構築を目指していきたいと考えています。大規模実証には、多くの費用と労力、時間が掛かりますので、皆様方におかれましては、信州大学の動向を注視していただくとともに、ぜひともご支援いただけますと幸いです。

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信大クリスタルが織りなすまちづくり

手嶋 勝弥 信州大学 アクア?リジェネレーション機構長 学長特別補佐/卓越教授

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手嶋 勝弥 信州大学 アクア?リジェネレーション機構長
学長特別補佐/卓越教授

シンポジウムのテーマである水188bet体育_188bet备用网址に関してお伝えしたいことは、「一緒にアクションを起こしましょう」ということです。

水は、日本では非常に豊富にあるため課題感が乏しいのですが、世界に目を向けるとその問題が深刻化していることがわかります。地球環境の持続可能性を示す「プラネタリーバウンダリー」では、6つの領域が限界を超えており、そのほとんどが水とエネルギーに関連しています。

このような問題を打開するため、信州大学は「アースポジティブ」の理念のもと、水とエネルギーを中心にJ-PEAKSへの取り組みをスタートしています。そのなかでコアサイエンスはやはり強みであるマテリアルです。カーボンナノチューブやセルロースナノファイバーを活用した水処理膜の開発など、素材科学を基盤とした188bet体育_188bet备用网址を進めています。また、水素の製造にも取り組んでいますし、私たちの188bet体育_188bet备用网址室では結晶材料を使って水をきれいにしています。これらの188bet体育_188bet备用网址については、飯田市を実証拠点とする取り組みを進めています。水と水素を中心にした循環のまちづくりアクションです。

また、水188bet体育_188bet备用网址の新たな拠点「アクア?リジネーション機構」を2024年3月に発足し、水188bet体育_188bet备用网址で国内外の大学や企業との連携を深めています。最終的には10ユニット、総勢160名ほどの教員団で構成され、大学院を備えた組織を作ります。松本市にアクア?リジネーション共創188bet体育_188bet备用网址センターという建物を建設中で、完全に自立して遠隔操作で実験可能なロボットラボや植物工場などの特徴を備えます。

さて、ここで私の188bet体育_188bet备用网址である「信大クリスタル」を通じたアクションを紹介します。信大クリスタルはフラックス法で作製した結晶材料で、簡便かつ低エネルギーで目的結晶が得られます。この結晶材料を応用し、重金属イオンを効率的に除去できる浄水器や災害対策用ボトルが製品化されています。特に、浄水器は日本酒やクラフトビール製造、ならびに食品加工工場、レストラン?カフェなど、広範な分野で活用されています。

また、信大クリスタルを導入したマイボトル専用アクアスポット、いわゆる無料の浄水器「swee(スウィー)」の設置を通じ、ペットボトルの水をやめて水道水を飲もうというアクションにも取り組んでいます。設置箇所は長野県内約50カ所に近づいてきましたが、それでもまだ設置できていない地域が多くあります。私はいずれ県内の全ての地域に設置したいと考えており、これからもアクションを起こしていきます。皆さまには、ぜひ水というキーワードで、アクションにご協力いただければと思っています。

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【閉会挨拶】

中村 宗一郎 信州大学 学長

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中村 宗一郎 信州大学 学長

今日は「大学が変われば社会が変わる」 そんな可能性についてお話したいと思います。

持続可能なアースポジティブな世界を作るためには、様々な面で行動変容が求められるわけですが、大学が変わればおそらく色々なことが動き出すと考えています。大学が変わることの一環として、我々は「アクア?リジェネレーション」という非常に壮大なビジョンを掲げております。水とエネルギーを軸にアースゼロポジティブで持続可能な世界を目指すもので、まさに価値を創造する取り組みです。

機構の大きな特徴は、飯田市に協力いただき、実証タウンを形成しようとしていることです。ここでは、水素を中心に据えた社会づくりを進めていますが、私はこれを「水素トランスフォーメーション」と呼んでいます。水を無限に循環させる仕組みづくりです。この仕組みがうまくいけば、水素を利用してエネルギーを生み出したり、プラスチック製品を作ることなどが可能になります。水とエネルギーが織りなす未来都市「水素ウーブンシティ」―このようなものが近未来にはできるのではないかと期待しています。サーキュラーウォーターエコノミーによる豊かな社会の実現、その先駆的なモデルになるのではないかなというふうに思っています。飯田市はリニア中央新幹線や新しい道路網が整備されることで今後、中部地域の重要な拠点となるでしょう。学術とイノベーションの融合都市になればというのが、私のかねてからの願いです。

アクア?リジェネレーション機構では、国内外の大学や企業とも連携しておりますが、今日お集まりの皆さま方にも、ぜひ機構の取り組みに参加していただきたいと思っております。機構の成果は、2025年の大阪?関西万博で披露される予定で、2025年2月には東京でプレイベントも開催されますので、ぜひ多くの方にご参加いただければと思います。

繰り返しになりますが、アースポジティブな社会の実現に向かって、これからも歩みを進めてまいりますので、ぜひ皆さまのお力をお貸しいただければと思います。

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