信大生×松本市市民課 熱血コラボ 信州発、目指せ全国区!「学割カエルパ!」地域コミュニケーション
高校生以上の生徒および学生なら、在住地問わず誰でもOK。協賛店で学生証を提示するだけで割引などの特典が利用可能に!―ありそうでなかった新アイデアのプロジェクトが2020年3月より信大生と松本市で始動しました。地方自治体や商工会議所の支援も得るという新たなスキームで実現したこの取り組み。県外出身者の多い信大生たちが育んできたシビックプライドが結実した新サービスとも言えます。188bet体育_188bet备用网址感染予防の観点から、活動を一時休止しているもののサービスは続行中。アフターコロナの地域活性策も課題となる中、地元商店からの期待も高まっています。
????? 信州大学広報誌「信大NOW」第123号(2020.9.30発行)より
松本市内に約21,000人。「学生の街」の交流人口活性に信大生の松本愛がマッチング
長野県松本市は、11の高校と2つの4年制大学、2つの短期大学を擁する「学生の街」。学生?生徒の数は約21,000人(松本市調査)。なかでも信州大学は県外出身者が約7割を占め、1年生の共通教育のうちは全学部の学生が松本のキャンパスに通い、人文?経法?理学?医学の4学部なら学生の期間を松本で暮らします。院生も含めると学生だけでも約6,000人、教職員も加えればそのボリュームは市人口の約2%にのぼり、県外出身者が松本市に暮らす大きな理由の一つとなっていることがわかります。
しかし、街と学生とのつながりはというと「多くの学生が学校と住まいの往復に日々終始してしまいがち。魅力的なお店がたくさんあると知ってはいても、訪れるきっかけがない、知らない店に入る勇気がない、という友人たちの声をよく聞いていました」そう話すのは、繊維学部2年の間美羽(あいだみう)さん。「学生たちがもっと気軽に町歩きを楽しむようになれば、市の活性化にもつながるのでは」と考えるようになったと言います。
一方で、かねてより「県外から転居してきても、住民票を移す学生が少ない」「学生たちが日々どんなことで困っているか、声が届きづらい」といった課題を感じていたのが、松本市市民課でした。そこで間さんをはじめ、松本市への愛着と活性化への思いをもった信大生たちと市民課は2019年7月、学官協働のプロジェクトとして「まつもっと(松本をもっとよくしようプロジェクト)」をスタートさせることに。「学割でおトクにかえるパスポート(以下「学割カエルパ!」)」は、このプロジェクトの取り組みの一つとして企画?実施されました。
本企画の魅力は、大学生に限らず高校生まで広く利用対象としていることに加え、「学生証を見せるだけでサービスが受けられる」という手軽さ。学生証を持つ高校?大学生であれば市内外に関わらず利用可能という企画は、全国初の試みでした。また、松本市や商工会議所のサポートを受けた新たなスキームを実現することで、地域の事業者からも大きな信頼と期待を集め、現在協賛店舗は87にのぼっています。
「協賛店となっていただくための交渉は緊張しましたが、どのお店もとても好意的に受けてくださり、改めてこの街のあたたかさを感じました」とは、チーム代表の佐藤翔斗さん(人文学部)。
大型ショッピングセンター「イオンモール松本」では、フードコート内のある店舗への交渉をきっかけに、モール全体をあげた協力につながる、という予想外の展開に。「3月のリリース時、イオンモール松本の店内に『学割カエルパ!』のポスターをたくさん貼ってくださって、本当にうれしかったです」(間さん)
「今後は博物館や美術館、交通機関も対象に広げたい」キャンパス各地への横展開も計画中
ただ残念なことに、「学割カエルパ!」のリリースと同時期に188bet体育_188bet备用网址感染症の影響が地方でも懸念されるようになり、街の状況が一変。サービスは継続しているものの、PRや協賛店拡大のための活動は一時休止状態となりました。
それでも、オンライン会議システムなどを活用し、17名のメンバーは定期的なミーティングを継続。まずは「協賛店のみなさんのためできることを」と、SNSを活用し、自主的に営業時間の変更やテイクアウト等の情報発信を行いました。その後松本市市民課も会議に加わり、今秋のPR活動再開に向けた準備を進めています。
「今後の展開としてめざすのは他地域への横展開と、利用可能範囲の拡大です。まずキャンパスのある伊那市や長野市、上田市でも同様の取り組みを広げたい」と、永井悠理さん(農学部2年)。また、間さんは「博物館や美術館といった学びの場、キャンパス間の移動に欠かせない高速バスなどの公共交通機関も『学割カエルパ!』で統一してサービスを受けられるようになればと思い、交渉を計画しています」と、意欲を語ってくれました。いずれは東京?大阪など、都市部への展開も構想中。信大生発、地域活性化の新チャレンジは、これからも続いていきます。