信大の地域貢献サークル&学生グループ特集Vol. 3 県内の小学1年生にちび軍手ィと笑顔の花を オンデマンドリメイク地域コミュニケーション
「大学の地域貢献度ランキング」では毎回上位にランクされる信州大学。
長野県内に5キャンパスという、タコ足大学の伝統を誇りとする本学はもちろん学生も頑張っていて、各キャンパスを飛び出して活動する、地域貢献を目的としたサークルが多いのも大きな特徴。
リンゴあり、軍手あり、山林伐採あり…信州ならではの地域貢献が盛りだくさん!
「信大の地域貢献サークル特集」信大NOW誌面で一挙公開です。
????? 信州大学広報誌「信大NOW」第150号(2025.3.31発行)より
上田から、日本の冬をあたたかく 街を華やかに
“ハナサカ軍手ィプロジェクト”を知っていますか?繊維学部感性工学科の学生によって、「上田から日本の冬を暖かく」という志のもとに始まったこの活動は、学生が自分たちでデザイン?印刷した軍手を販売、その収益をもとに制作した「ちび軍手ィ」を、長野県内の小学校1年生にプレゼントするというもの。上田キャンパスから徒歩5分ほどの場所に拠点を構えるサークル「オンデマンドリメイク」の学生たちによって、16年も続けられてきた活動です。同サークルの代表を務める、寶(たから)功稀さんにお話を伺いました。寒い中登下校する上田市内の小学生に、鮮やかにデザインされたちび軍手ィをプレゼントするところからスタートしたハナサカ軍手ィプロジェクト。徐々にその規模を拡大して、現在では東信地域を中心に10市町村の小学1年生の子供たちにちび軍手ィをプレゼントするまでになったそうです。「人はあったかく、街は華やかに」という想いを込めて作られる軍手ィは、色も柄も多様で、見ているだけで楽しくなるかわいいデザインです。
オンデマンドリメイク代表 寶(たから)功稀さん(繊維学部機械?ロボット学科3年)
収益拡大のために 社会人さながらの営業活動
前述の通り、プレゼントするための元手となるのは、販売協力店舗等で自分たちが販売した大人向け軍手ィの売り上げに加え、県内外の企業から募った協賛金です。販売に協力してくれる店舗や協賛企業を増やすために、学生たち自ら企画書を作り、先方にアポイントをとったうえで、プレゼンをし、協力を募っているそうです。
「企業の方に話を聞いてもらうのはやっぱり緊張しますし、プレッシャーにも感じます」と寶さん。それでも、より多くのちび軍手ィをプレゼントするために、「営業部門」の学生たちが中心となって収益拡大のために奔走しているといいます。まるで社会人のようですが、もちろん収益を拡大したところで給与が発生するわけでもなく、収益はすべてちび軍手ィの制作にあてられます。
時には「話を聞いてもらえなかったり、冷たくあしらわれたりすることもありますが、僕たちの活動に共感して協力してもらえた時にはやっぱりうれしいですね」と寶さん。そんな努力の甲斐あって、昨年度は協賛企業10社、販売協力店舗を40店舗に拡大し、7500双ものちび軍手ィを子供たちにプレゼントすることができたそうです。
他では得られない ここでこそ味わえる達成感
「大変だなと感じることも多いですが、やっぱり小学1年生の子供たちが喜んでくれる姿は、大きなモチベーションになっています」と語る寶さん。ちび軍手ィを渡す際には、学生が各小学校を訪れ、ちび軍手ィにまつわるクイズを出題するなど、小学生と楽しく関わりながら直接プレゼントしていると教えてくれました。
さらに、この活動を続けてきたなかで「お世話になった地域の方々に恩返しがしたい」と、3年前からは、年に1回上田市内でマルシェを開催しています。出店者と出演団体を集めるところから、集客のための広報活動、会場準備など、半年間かけて準備を行い、昨年度は4000人以上の来場者を集めることに成功したといいます。
「イベント運営にしても、収益拡大のための営業にしても、しっかりと企画?準備してそれが結果につながった時の達成感は、なかなか他では得られないものだと思います」と話す寶さんの顔には充実感がにじみます。今後の目標について尋ねると、「より多くの1年生に軍手ィを配ること」というシンプルな答え。現在はまだ進出できていない南信地域や、ゆくゆくは県外にまでこの活動を広めていきたいと、わくわくした表情で語ってくれました。(文?平尾なつ樹)