産学連携で取り組む信州発循環型社会の新提案 サーキュラーエコハウス?エコラボ産学官金融連携
サーキュラーエコノミーのその先へ ―SDGs実現のための新たな挑戦が始まりました。
2021年11月9日、信州大学工学部/先鋭材料188bet体育_188bet备用网址所に所属する手嶋勝弥教授(学術188bet体育_188bet备用网址院 工学系)は、サーキュラーエコノミー(循環型経済)の実現に向けた技術実証の場として、水?エネルギー?物質を循環利用できるサーキュラーエコハウスを信州大学長野キャンパス(工学部)内に設置しました。
サーキュラーエコハウスには、信大クリスタル(※1)を用いて各社が開発した浄水デバイスなどを備えています。雨水や太陽光を活用し、電気や上下水道などのインフラをつながずに生活に必要な機能が維持できるよう、産学連携で技術検証を行います。将来的には、山岳地?過疎地?島嶼部?発展途上国などでも導入できる分散型インフラとして活用することも想定しています。技術実証には、モバイル型ハウスを開発した(株)アルメックステクノロジーズ、浄水デバイスを開発した各企業のほか、大手総合化学の三菱ケミカル、スマートシティー構想を持つトヨタ自動車、長野県からはセイコーエプソンなど、さまざまな分野の企業が参画。
手嶋教授は、サーキュラーエコノミーのその先にある社会の在り方を「サスティナリビング(いつ、どこでも安全?安心が担保された持続可能な暮らし方)」と名付けています。「キャンパス内から“信州モデル”をつくり出し、サスティナリビングに向けた人々の行動変容?意識改革につなげたい」と手嶋教授。未来に向けた、信州大学と連携企業の新たな挑戦が始まりました。
(※1)手嶋教授が開発する高機能な無機結晶材料の総称。フラックス法と呼ばれる結晶化技術で育成された化学材料で、すでに浄水器などさまざまな商品に応用されている。
????? 信州大学広報誌「信大NOW」第131号(2022.1.31発行)より
①モバイル型 エコハウスデバイス(株式会社アルメックステクノロジーズ)
サーキュラーエコハウスはコンテナ型住居内に浄水器や貯水装置など各種循環型デバイスを備えた施設です。コンテナ型住居には(株)アルメックステクノロジーズの製品を採用。同社は手嶋教授と「循環」をテーマに共同188bet体育_188bet备用网址も進めています。今後ソーラーパネルや蓄電池なども設置され、モバイル型エコハウスデバイスとしての機能を強化していく予定です。
②雨水貯留装置 雨ニティー500?200 (株式会社竹村製作所)
エコハウスの裏手には、屋根に降った雨を衛生的に貯水できる雨水貯留タンクが設置されています。貯留した雨水は一般的に庭への散水などに利用されますが、エコハウスでは、実際に浄水し飲用水などの生活用水として使用することを想定しています。
③信大クリスタルを搭載した 緊急用浄水装置キューリック (株式会社竹村製作所)
キューリックは背負って持ち運ぶこともできる手押しポンプタイプの浄水器です。手嶋教授が参画する、アフリカ タンザニアでの飲用水浄水プロジェクトでも活躍。発展途上国や災害時などでも活用できます。
④信大クリスタルを活用した 全棟型浄水デバイス (トクラス株式会社)
信大クリスタルを活用した浄水器などを開発するトクラス(株)。同社が開発した中型浄水器は、井戸水や貯水タンクと接続し、家全体の生活用水にできる機能を持ちます。エコハウスでは雨水の貯留タンクと組み合わせた利用を想定しています。
⑤信大クリスタルを活用した オンデマンド型浄水デバイス (トクラス株式会社)
エコハウスのシステムキッチンには、信大クリスタルを使ったろ過材料を充填したカートリッジ式の浄水器が搭載されています。今後、より多くの人にオンデマンドで浄水デバイスを活用してもらえるよう、さらに安価に提供できる材料?デバイスの開発なども目指します。
⑥高耐久型ダイヤモンド電極利用 オゾン水生成器 (東京理科大学 寺島千晶教授 提供)
水の電気分解によりオゾン水を生成するデバイスで、高耐久型のダイヤモンド電極を用しています。エコハウスでは、信大クリスタルなど、さまざまな水処理法を組み合わせることで、用途?使途に応じた水資源の供給を検討します。
⑦ドライファイバー テクノロジーを活用した 循環型断熱?吸音材 (セイコーエプソン株式会社)
一度使用した紙を再生して作った循環型の断熱材?吸音材です。
水を使わずに紙を繊維化しアップサイクルする「ドライファイバーテクノロジー」で作成しました。
サーキュラーエコハウスに用いる物質循環型の建材として利用できる断熱材?タイル?ウッドデッキ等への利用を想定しています。