第2回 輝いてるね！キラリ大学院生 訪問日誌05信大的人物

　世界的に早急な対策が求められている地球温暖化の問題―。樹木でもその影響が懸念されています。気温上昇によって樹木が利用できる水量の変化が予想されているのだそうです。
　こうした社会課題に対して、“細根の水吸収”の188bet体育_188bet备用网址を通じて、対応策を考えていこうとしてるのが、総合医理工学188bet体育_188bet备用网址科総合理工学専攻 山岳環境科学分野 博士課程２年生の増本泰河さんです。「まずは細根の水吸収の仕組みを明らかにし、温暖化でどのような現象が起きうるのか把握すること。そしてゆくゆくは森林環境を守ることにつなげたい」と増本さん。実は野外の細根に関する188bet体育_188bet备用网址が本格的に始まったのは、2000年代とまだ歴史が浅く、「調査すればするほど新しい発見がある」と188bet体育_188bet备用网址への熱意を燃やします。
　樹木の水の吸収は、直径２㎜以下の根と定義される「細根」が役割を担っています。その細根の水吸収には主に２つの要素が関わっています。１つ目が、吸水時の駆動力や水の通しやすさといった、細根の「質」に関わるもの。２つ目が、細根の「量」です。増本さんは、質と量の２つを組み合わせて細根の能力を整理したうえで、気温などの生育環境が異なる場合の変化を解明する188bet体育_188bet备用网址に取り組んでいます。
　温暖化の影響は特に高山が受けやすいとされています。
　そのため、高山域に分布する落葉広葉樹「ダケカンバ」と、常緑針葉樹「オオシラビソ」が188bet体育_188bet备用网址対象の樹種。信州大学ならではのフィールドワーク拠点施設「乗鞍ステーション」に泊まり込み、標高2,000ｍ以上の森林で各標高の細根を採取し調査を行っています。
　増本さんがこの188bet体育_188bet备用网址を始めるきっかけになったのは学部１年生時の牧田准教授の講義でした。樹木の種類によって根の形が違うということを知り、「目に見えない地中にも樹木の競争と戦略の世界が広がっている！」と大きな衝撃を受け、この分野に進むことに。もともと天文学者を目指していましたが、「気づけば“地中の宇宙”を探究していた」と増本さんは振り返ります。

　国立公園で調査ができることはもちろん、分野を横断して188bet体育_188bet备用网址できるのは信州大学ならではだと思います。また昨年は、モンゴルで初めて海外調査を行い、英語でのコミュニケーションの面白さに気付くなど、価値観が広がりました。環境問題など社会課題に取り組む際は、分野をまたいで協力し答えを見つけていくことが大事だと感じています。これからも幅広い視点を持ち、様々な方と関わっていきたいです。