「宇宙天気」の影響を188bet体育_188bet备用网址する極域の超高層大気観測信大的人物

信州大学 学術188bet体育_188bet备用网址院(工学系) 川原 琢也 准教授

一般的には聞かれない「宇宙天気」。太陽から地球に降り注ぐ太陽風や放射線の状態のことです。大規模な太陽風が地球に降り注ぐと、日本でもオーロラが見えたりする反面、地球の広い範囲でスマートフォンやカーナビなどの通信インフラに影響を与えます。太陽風が地球大気に与える影響を188bet体育_188bet备用网址しているのが、信州大学学術188bet体育_188bet备用网址院(工学系)の川原琢也准教授。地球大気と宇宙の境界領域の“超高層大気”の状態を把握する観測技術の開発に取り組んでおり、この分野で第一線を行く188bet体育_188bet备用网址者です。(文?佐々木 政史)

????? 信州大学広報誌「信大NOW」第147号(2024.9.30発行)より

宇宙と地球大気の“境界領域”を観測

どこまでが地球大気で、どこからが宇宙なのか―。明確には定義されていませんが、高度100 kmぐらいの領域(超高層大気)が、地球大気と宇宙の“境界領域”と言われます。宇宙、特に太陽が地球に与える様々な影響を把握するためには、「極域の超高層大気の188bet体育_188bet备用网址が重要」と話すのが、超高層大気の観測技術の188bet体育_188bet备用网址を行っている、信州大学学術188bet体育_188bet备用网址院(工学系)の川原琢也准教授です。

太陽表面での大きな爆発現象(太陽フレア)に伴う太陽風(電気を帯びたプラズマと呼ばれるガス)は、約8分で地球に到達します。大規模な太陽風が地球に到達すると、航空機や人工衛星の運用への影響、GPSを使ったスマートフォンやカーナビの位置情報の誤差、送電施設のトラブルなど、私たちの暮らしに重要な通信インフラに、様々な問題を引き起こすことが知られています。日本でオーロラが見られたりもします。

地球は大きな磁石で、太陽風は磁力線に沿って地球に降り注ぎます。地球の磁力線が大気につながる南極域や北極域は「宇宙への窓」と言われます。降り注ぐ太陽風と、極域超高層大気の温度や風速との関係を、観測を通して188bet体育_188bet备用网址することが、川原准教授の188bet体育_188bet备用网址です。

北極圏で観測 データの質は世界トップレベル

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オーロラ活動時の超高層大気の温度と風速の空間変動を調べるため、ナトリウムライダーのレーザーを夜空に向けて射出しているところ

川原准教授は2010年から名古屋大学や理化学188bet体育_188bet备用网址所と共同で、北極圏(ノルウェー?トロムソ)で、レーザー光を用いるLIDAR(ライダー)という観測装置で超高層大気の観測を行っています。厳しい自然状況下にある極域で観測データを安定的に取ることが簡単でないことは想像に難くありません。その中で、川原准教授らの188bet体育_188bet备用网址チームは、極域観測に特化した極めて高性能のレーザーを開発し、極域冬季の観測を15年近くも安定して継続しています。極めて質の高い観測データは、世界トップレベルです。これについては、「ちょっと自慢してもいいかもね」と笑顔をみせます。

川原准教授が188bet体育_188bet备用网址に用いる「ナトリウムライダー」は黄色の波長のレーザーを上空に照射し、超高層大気に存在するナトリウム原子からの共鳴散乱光を地上の望遠鏡で受信することで、超高層大気の気温や風速を計測するという極めて精密な制御を要する技術です。実はナトリウムライダーは50年以上前に開発された観測機器ですが、レーザー技術と観測技術が進化を重ねて、今日では超高層大気観測に必要不可欠な観測機となっています。川原准教授は自身の様々な経験を経て、この技術進化に大きく貢献しています。実は極域の夏季は白夜となるため、太陽光の元での微弱な共鳴散乱光の観測は困難です。しかし、安定して昼間観測が可能なライダーの送受信系開発に挑み、今年秋からテスト観測を開始する予定です。川原准教授が主導する188bet体育_188bet备用网址チームの技術改良でこうした問題が解決しつつあります。「極域で年間を通じた観測が可能になることで、太陽風が地球大気に及ぼす影響の188bet体育_188bet备用网址が大きく進歩することになる」と川原准教授は期待を膨らませます。

“精密観測への関心”が極域での188bet体育_188bet备用网址のモチベーションに

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川原准教授は南極や北極といった自然環境の厳しい極域で、観測技術の向上に貢献する188bet体育_188bet备用网址をこれまで進めてきました。第40次南極越冬隊員として188bet体育_188bet备用网址に従事していた時期もあるそうです。極域での188bet体育_188bet备用网址生活は、暮らしに様々な制約を受けるなど、困難なことも多いはずです。

そのような中でも、川原准教授を188bet体育_188bet备用网址に駆り立てるモチベーションは、“精密観測への関心”だといいます。「優れた観測機器で、質の高い観測データを得ることに関われる喜びを感じる」と、188bet体育_188bet备用网址者ならではの顔を覗かせます。今後についても、「今秋から開始するライダーの昼間観測データを検証し、とにかく観測を安定軌道に乗せることが一番の目標」と意気込みを語り、その姿からは観測に掛ける熱い想いを感じました。

PROFILE

信州大学 学術188bet体育_188bet备用网址院(工学系)川原 琢也 准教授

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188bet体育_188bet备用网址分野は超高層物理学。1995年東北大学大学院理学188bet体育_188bet备用网址科博士課程修了、同年信州大学工学部助手、2001年コロラド州立大学客員188bet体育_188bet备用网址員、2002年イリノイ大学客員188bet体育_188bet备用网址員、2003年コロラド州立大学客員188bet体育_188bet备用网址員、2006年信州大学工学部助教授を経て2007年から現職

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